2016 Fiscal Year Research-status Report
動脈瘤治療用細径カバードステントの開発:プラズマ技術による表面及び薬剤徐放制御
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15K06492
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
長谷部 光泉 東海大学, 医学部, 教授 (20306799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 哲也 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (10286635)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナノファイバー / 細胞 / 組織工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年注目されているカバードステントを用いた動脈瘤治療の問題点には、血管とカバードステントの隙間からの血液再流入(エンドリーク)による動脈瘤の再発やカバー内腔に付着した血栓による内腔の閉塞、カバードステントの構造的な柔軟性の低さのために留置に困難をともなう点が挙げられる。本研究は、ナノファイバー紡糸技術とプラズマ技術によるカバー表面形状制御及び薬剤徐放システムの融合により、上記課題を一挙に解決出来る新規カバードステントを開発することを目的としている。当該年度では、下記について明らかにした。 1,塩基性線維芽細胞増殖因子(Basic fibroblast growth factor : bFGF)を含浸させたポリウレタン(PU)をエレクトロスピニング法によってナノファイバー化した。PUはジクロロメタン:エタノール=4:6の溶媒に溶解させ、5 wt%のPU溶液を作製した。そこにbFGF100 μg/mLの水溶液を加え、0.1 wt%のbFGFが含まれたPU溶液とした。その結果、平均直径が数百 μmのナノファイバー不織布を得た。 2,1で得られた不織布について、血管内皮細胞(Human Umbilical Vein Endothelial Cells:HUVECs)を用いた細胞増殖試験を実施した。その結果、bFGFを含浸させたPUナノファイバー不織布上では、bFGFを含浸させていないものと比較すると、血管内皮細胞の増殖が顕著であった。 本研究結果より、bFGFとナノファイバー不織布の組み合わせは血管内皮細胞増殖足場として有効であると確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の計画では、bFGFを含浸したナノファイバー上における、bFGFの徐放および細胞増殖の促進まで進められる予定であった。計画についてはほぼ予定通りサンプル作製、評価を実施できており、予測される結果を得ることができ、おおむね順調に推移していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、bFGFを含浸したPUナノファイバーを実際のステントに一体成型することを第一目標として研究を遂行する。エレクトロスピニング法によって、ナノファイバー膜を吹付け、作製されたカバードステントは、耐圧試験、拡張性試験を経て、基準をクリアするよう最適化されたのち、動物実験にてその有効性を確認する。
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Causes of Carryover |
理由は主に2点ある。1点目は、発表予定であった材料系国際学会において、今回は他研究の発表を実施したため、本研究における発表を次年度に延期した。2点目は、分析機器使用量として予定していた額であるが、予定していたサンプルよりも少量のみ実施できたため、現在のところ予定額より少額に収まった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記2点について、予定通り材料系国際学会において発表を予定しており、さらに作製サンプルについて、引き続き予定していたサンプル数を分析するために計上する予定である。
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Research Products
(37 results)
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[Journal Article] Prospective multi-center registry to evaluate efficacy and safety of the newly developed diamond-like carbon-coated cobalt-chromium coronary stent system.2016
Author(s)
K. Ando, K. Ishii, E. Tada, K. Kataoka, A. Hirohata, K. Goto, K. Kobayashi, H. Tsutsui, M. Nakahama, H. Nakashima, S. Uchikawa, J. Kanda, S. Yasuda, J. Yajima, H. Kitabayashi, S. Sakurai, K. Nakanishi, N. Inoue, H. Noike, T. Hasebe, T. Sato, M. Yamasaki, T. Kimura,
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Journal Title
Cardiovascular Intervention and Therapeutics
Volume: online
Pages: 1-8
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Perirenal lymphatic systems: Evaluation using spectral presaturation with inversion recovery T2 -weighted MR images with 3D volume isotropic turbo spin-echo acquisition at 3.0T.2016
Author(s)
S. Matsumoto, H. Mori, M. Kiyonaga, Y. Yamada, R. Takaji, F. Sato, H. Mimata, N. Hijiya, M. Moriyama, R. Tanoue , K. Tomonari, T. Matsumoto, T. Hasebe.
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Journal Title
Journal of Magnetic Resonance Imaging
Volume: 44
Pages: 897-905
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 腰仙移行部の化膿性脊椎炎に対するCTガイド下経仙骨椎間腔膿瘍ドレナージ2016
Author(s)
松本知博, 嶺貴彦, 橋田和靖, 遠藤じゅん, 仁科良, 峠田昌子, 壁谷悠介, 鴨野真弘, 蘇原映碩, 檜垣惠, 長谷部光泉
Organizer
第45回 日本IVR学会総会
Place of Presentation
ウェスティンナゴヤキャッスル(愛知県名古屋市)
Year and Date
2016-05-26 – 2016-05-28
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