2017 Fiscal Year Annual Research Report
Formation of highly oriented ceramics coating at room temperature by aerosol deposition method
Project/Area Number |
15K06501
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
長谷川 誠 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50376513)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エアロゾルデポジション / 集合組織 / 結晶配向 / 塑性変形 / 熱処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に引き続き、成膜および熱処理を実施し、コーティングの個々の結晶粒における結晶方位とひずみについて評価を行った。 ①EBSDを用いた個々の結晶粒における結晶方位分布:結晶粒中の結晶方位を電子線後方散乱(EBSD)パターンにより取得し、個々の結晶粒の結晶方位および結晶方位分散の情報を得ることを試みた。マッピングにより隣り合う結晶粒の大きさや形状、結晶方位、結晶方位分散の状況から、熱処理に伴う結晶粒成長とその結晶粒の方位との関係について検討した。as-coatの状態では結晶粒径が非常に細かく、FE=SEM/EBSDシステムを用いても十分な測定は難しかったものの、熱処理後の膜については、評価が可能であった。 ②EBSDを用いた個々の結晶粒におけるひずみ成分の評価:結晶粒中の局所的なひずみをEBSDパターンの「ゆがみ」により実験的に求める手法により同定を試みた。EBSDパターンの発生領域の結晶格子が負荷によりひずめば、つまり格子間隔が変化したり傾いたりすれば、EBSDパターンの変化となって現れ、観察されるパターンのそれぞれの位置でのバンドの動きを検出することで、パターン発生領域での結晶格子がどのようにひずんでいるかの全体像を求めることができた。しかしながら、得られる結果は相対的な結果であり、絶対的にニュートラルな状態からのひずみ量の決定はかなり難しく、課題として残ってしまった。 ③結果のまとめ:AD成膜およびその後の熱処理によって形成した膜の集合組織について、局所的な高温、高速変形とその後の熱処理による結晶粒成長として、トータルに集合組織の形成機構について定性的ながら明らかにすることが出来た。従来の一般的な集合組織形成に関する知見を拡張する形で集合組織形成を説明することができたが、一部、成膜条件によってはAD特有と思われる集合組織形成を示す場合も有った。
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