2016 Fiscal Year Research-status Report
材質制御とネットシェイプ化を目的とするねじりモーション付加鍛造加工法の開発
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15K06504
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 良 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50362645)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 塑性加工 / 成形加工 / 加工モーション / 加工荷重 / プレス機械 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では先進塑性加工プロセスの開発として,塑性加工プロセス中の加工モーション制御に着目して,鍛造加工中にねじりモーションを付加するねじりモーション付加鍛造加工プロセスを考案し,成形荷重の低減,材質制御・形状制御に取り組んだ. 平成27年度に設計・製作したモーション付加機構を有する鍛造試験機を用いて,ねじりモーションを付加した据込み自由鍛造加工実験を行った.ねじりモーション付加条件(ねじり速度,角度,回数)が鍛造加工特性(ひずみ,摩擦,成形荷重,材料流動)に及ぼす影響を詳細に調べ,適切なねじり付加により軸方向の成形荷重を低減できることを加工実験においても実証した.また加工実験で得られたねじりモーション付加条件と鍛造加工特性の関係は,平成27年度に取り組んだコンピュータによるシミュレーション解析とも傾向が一致することが分かった.加工実験,シミュレーション解析によって得られた結果を総合して,ねじりモーション付加制御による加工現象の変化について,その加工メカニズムについて考察した. 上述のねじりモーション付加据込み自由鍛造加工で得られた知見を基に,ねじりモーション付加鍛造加工プロセスの他形状への展開に取り組んだ.まず実部品を基礎研究用に簡易化した形状を対象として,ねじりモーション付加鍛造プロセスを適用可能な鍛造形状を調査した.ねじりモーション付加の適用が可能な鍛造形状をいくつか選定した後,コンピュータによるシミュレーション解析により,ねじりモーション付加の効果を予備検討した.良好なシミュレーション解析結果を得られた型鍛造形状を対象として,金型を設計・製作した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の目標に掲げた据込み自由鍛造加工におけるねじりモーション付加制御効果の実証について,平成27年度に設計・製作を行った加工試験装置を用いて,適切なねじり付加により軸方向の成形荷重を低減できることを加工実験において実証した.またねじりモーション付加鍛造加工プロセスの実用化を目指して,実部品を簡略化した型鍛造形状の金型を設計・製作した. 以上より,おおむね順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度はねじりモーションを付加した据込み自由鍛造加工実験での軸方向荷重の低減に重点を置き,材料流動および材質制御については予備調査に留めた.材料流動については,平成28年度に対象形状を決定し,設計・製作した型鍛造形状の金型を用いて,加工実験を平成29年度に行う予定である.また材質制御については,平成28年度の加工実験で得た鍛造材料を用いて,材質変化を調査する予定である. また据込み自由鍛造,型鍛造の加工実験で得られる知見を基に,ねじりモーション付加制御の効果を,加工品の材質制御,成形荷重の低減,材料流動性の向上に着目して整理する.それらを総合して,鍛造加工プロセスでのねじりモーション付加の制御指針を検討して,本加工プロセスの実用化を目指す.
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Research Products
(4 results)