2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K06511
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
近藤 和夫 大阪府立大学, 21世紀科学研究機構, 教授 (50250478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 豊 京都大学, 情報学研究科, 助教 (00169583) [Withdrawn]
齊藤 丈靖 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70274503) [Withdrawn]
横井 昌幸 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (80359348) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 一価銅 / 二価銅 / SPS / 微小電極 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研の実績に関しては以下の三点の成果を上げた。 1.塩素とSPSの促進錯体モデルの完成 2.塩素とSPS共存下での一価銅の孔内分布のシミュレーション 3.微小電極での一価銅分布の測定
二価のCu++から一価のCu+を経て(式1)、金属Cuに還元する(式2)が銅めっき反応です。このCu++からCu+への還元速度をk1としCu+から金属Cuをk2とします。実測からk1はk2より1/100万小さいです。すなわちCu++からCu+への還元反応が律速です。 Cu++ + e- -k1→ Cu+ (1) Cu+ + e- -k2→ Cu (2) 孔埋銅めっきにはCl-とSPSとの促進添加剤を用います。Cl-は銅めっきの表面に吸着してSPSに電子を供給しSPSをMPSに還元します。MPSはCu++とCu(I)thiolateの錯体を形成します。このCu(I)thiolateは解離してCu+とSPSを生成します。k2は大きいのでいったんCu+を生成すると即座に金属Cuに還元されます。ですから孔の底に Cu(I)thiolateを蓄積出来れば孔の底から高速で銅めっきすることが出来ます。底だけに電極がある孔を作り孔底電極の促進電流を測定しました。めっき液を酸素ガスでパージするとCu+がCu++に酸化して促進電流が皆無になりますが、窒素ガスでは大きな促進電流を観察しました。また孔の側壁に設けた5μm角の電極でCu+を電気化学実測しました。その結果は銅イオンと添加剤の反応速度と物質移動数値解析と一致しました。 孔の中は剥離渦を発生しこれがCu(I)thiolateを蓄積します。通常の孔は矩形です。それをV-字型にすると剥離渦が底近くに到達し孔の底を促進します。そのため大電流を印加してもボイドを発生せず、50倍超高速めっきが出来ます。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規添加剤モデルを提案、またこのモデルを用いて物質移動値解析に成功したため、ほぼ目標を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
5μm角の微小電極をTSV側壁に設置する。その微小電極によりCu+のTSV内の濃度分布を実測する。この微小電極の実験を詳細に詰める。
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Research Products
(7 results)