2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high-coercivity nanocrystalline NeFeB films deposited by Supersonic Free-Jet PVD
Project/Area Number |
15K06512
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯本 敦史 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20383987)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナノ結晶永久磁石 / 保磁力 / 最大エネルギ積 / 成膜速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
永久磁石材料において最も大きな最大エネルギ積(BHmax)を示すNdFeB系磁石は,組織・構造をナノメートルサイズで制御することにより硬磁気特性の向上が図られることが知られている.現在,膜厚10μm以下の薄膜NdFeB系磁石では,高いBHmaxを有する膜の形成に成功している.しかし,MEMSや磁界駆動型マイクロマシンへの応用を念頭にした磁気デバイスの場合,10μm以上の膜厚が必要であると言われているが,優れた磁気特性(高Hc,高BHmax)を有する膜厚10μm以上の厚膜NdFeB系磁石の形成は克服し難い技術的課題が存在すると指摘されている. 超音速フリージェットPVDは,生成直後の活性なナノメートルサイズの粒子(ナノ粒子)を,5km/s以上の超音速ガス流により加速させ,基材にナノ粒子を積層させ成膜する新しい成膜法である.本研究は,超音速フリージェットPVDを用いて,高い保磁力及び最大エネルギ積BHmaxを有する数μm~数百μm厚の厚膜ナノ結晶NdFeB膜の開発し,MEMS及び磁界駆動型マイクロマシンなどの磁気デバイスに使用する優れた硬磁気特性を有する永久磁石厚膜の実用化を目指す. 本研究では,Nd15Fe77B8およびNd20Fe70B10を膜原料ターゲットとしアークもしくはQスイッチパルスレーザーにより加熱蒸発させ,各種材質の基板(石英ガラス,A1050,C1020)上にNdFeB膜を形成,成膜条件が及ぼす成膜速度,膜組織・膜構造への影響ならびに磁気特性への影響を検討した. 本法により形成されるNdFeB膜は,基材の材質に関わらず緻密な多結晶体を呈し,膜組織の結晶粒径が30nm以下のナノ結晶粒であることが確認された.また,成膜条件が及ぼす成膜速度への影響についても調査し,数μm~数百μmの範囲で膜厚制御したナノ結晶NdFeB膜の形成を達成した.
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Research Products
(6 results)