2016 Fiscal Year Research-status Report
新規ナノ粒子支持型イオン液体膜による各種蒸気・ガス分離プロセスの開発
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15K06538
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊東 章 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (50151494)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ガス分離 / 液体膜 / 除湿 / イオン液体 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の結果をふまえ,実用中型膜モジュールによる膜分離装置の性能試験と,実用フィールドテストをおこなった。 1.膜モジュールの製造性と耐久性 前年度で膜モジュールの構造を確立するので,数十単位での膜モジュールを製作した。こ液体膜で懸念されるのは耐久性である。これを自動測定装置を備えた装置による連続運転で検証した。その結果1ヶ月単位での性能が証明された。 2.実用フィールド試験 (A) 炭酸ガス濃縮空気供給の実用フィールドテストは現在4カ所を実施した。①極地研究との共同研究により南極観測基地の植物栽培温室でこの装置をテストしてもらう(2009年度より継続),②人工植物栽培製造メーカーとの共同研究により小型温室での植物生育促進試験をおこなう,③空気中の炭酸ガス固定化のため藻類培養を検討している研究所と共同研究でこの装置をテストしてもらう。(C) 除湿装置については,膜面積の大きい多段装置を構成し,その性能向上を図る必要がある。多様な気候条件,室内条件下での空気中の水分の分離・移動の性能を測定した。(D) 空気中のVOC成分除去については,スケールアップして,10 m3程度の中型室内環境装置を用意して,その中での有機蒸気,臭い成分の除去性能を実証した。このなかでベンゼンなど芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素について除去性能が大きく異なることが見いだされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目(昨年度)は基礎試験であったので,実験室での検討のため計画どうり進展した。一方,本年度はフィールド試験が多く,設置場所の状況などの要因により,必ずしも計画どうりには実験がおこなえなかった。また,液体膜自身も混入微粒子の種類により製膜状況が異なり,分離試験ができないことが多かったため。
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Strategy for Future Research Activity |
方向性はよいと思われるので,こんごとも当初の計画どうりにすすめたい。特に炭化水素蒸気の分離試験については芳香族蒸気についての分離性能が当初の予測より大幅に改善されたので,炭化水素を対象とした液体膜分離試験を拡大実施する計画である。
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Causes of Carryover |
購入予定の器具の納入が遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
特注の蒸気飽和器に使用する計画である。
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