2016 Fiscal Year Research-status Report
相分離イオンチャネル構造を有する中空糸型イオン交換膜の開発
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15K06541
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
垣花 百合子 神戸大学, 工学研究科, 研究員 (90592014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比嘉 充 山口大学, 創成科学研究科, 教授 (30241251)
松山 秀人 神戸大学, 工学研究科, 教授 (50181798)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イオン交換膜 / 相分離 / イオンチャネル構造 / 中空糸 |
Outline of Annual Research Achievements |
イオン交換膜(IEM)を使用した拡散透析は外部から電気力や圧力などを加える必要がないため、有害イオンの除去、酸・アルカリの回収などに応用されている。しかし、このシステムはイオン透過速度が低いため、広い膜面積が必要となる欠点がある。一方、平膜よりも、中空糸膜は単位体積あたりの膜面積(充填密度)が約10倍高いことが知られているこのことから最近、拡散透析用中空糸型IEMの研究が行われている。本年度は、親水性かつ結晶性高分子であるpoly(vinyl alcohol) (PVA)と高分子電解質であるPoly(diallyl dimethyl ammoniumchloride) (PDADMAC)のブレンドポリマーを用いてゲル紡糸法により中空糸荷電膜を作製し、種々の延伸倍率で延伸後、グルタルアルデヒド(GA)で化学的架橋を行った。これらの膜を用いて拡散透析の一種であるドナン透析を行い、延伸倍率、GA架橋濃度とイオン輸送性能との関係を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
作製した中空糸荷電膜を用いてモデル系として回収イオンを硝酸イオン、駆動力イオンを塩化物イオンとし、ドナン透析実験を行った。また、延伸がイオン輸送特性に与える影響を検討した結果、イオン流速および硝酸イオン選択性の値は増加したが、要求性能にはを十分な値ではなかった。PVA系中空糸膜作製条件の検討に時間を要したため基礎特性評価が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
熱処理条件やポリマーの組成を変化させることで、より高い性能を有する中空糸荷電膜の作製条件の検討を行う。
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Causes of Carryover |
初年度計画の以下項目が遅れているため、試薬および中空糸膜作製装置費用が次年度使用額として生じた。高分子カチオン型の合成、平膜作製および基礎特性評価、中空糸支持体作製、中空糸型IEMの作製と基礎特性評価、ミニ膜モジュール作製。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
初年度計画の高分子カチオン型の合成、平膜作製およびおよび基礎特性評価を進めることと並行して中空糸支持体作製、中空糸型IEMの作製と基礎特性評価およびミニ膜モジュールの作製を行い拡散透析評価を行う。
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