2016 Fiscal Year Research-status Report
次世代太陽電池電極用ナノ粒子集積薄膜の最適構造設計
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15K06549
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
森 康維 同志社大学, 理工学部, 教授 (60127149)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ハイブリッド型太陽電池 / チタニア粒子 / 電極構造 / 薄膜作製プロセス / 電気泳動堆積法 / KPFM |
Outline of Annual Research Achievements |
最近次世代太陽電池として注目されているハイブリッド型太陽電池は,半導体ナノ粒子を集積した多孔質電極と電荷輸送を担う有機化合物からなる。半導体ナノ粒子集積薄膜からなる電極構造の最適化に関する検討はなされていない。そこで,化学工学および粉体工学の観点から,粒子集積薄膜構造の評価技術を確立すると共に,粒子集積薄膜の構造制御を試み,ハイブリッド型太陽電池の光電変換効率を高めるために,用いる粒子の形状も考慮した粒子集積薄膜作製方法およびその操作条件を見出すことを目的とした。 短時間に均質な膜を作製できることが判明した電気泳動堆積法を中心に検討した。粒子集積薄膜を構成するチタニア粒子凝集体の平均粒子径の集積膜への影響を検討するために,粒子分散液調製のためのビーズミルのミリング時間を変え,チタニア粒子径の異なる懸濁液を調製した。印加した電流のすべてが粒子の堆積に使われると仮定すると,理論的に計算可能な式(Hamakerの式)で粒子堆積量を表現できることが判明した。懸濁液中のチタニア粒子の平均粒子径が小さいほど,粒子薄膜の空隙率を小さくでき,ことを明らかにした。すなわち,懸濁液作製時のミリング時間とEPDの操作条件によって,粒子薄膜の空隙率と膜厚を制御できることがわかった。更に2種類の粒子を混合すると,膜厚方向に空隙率分布を付けることができた。 ペロブスカイト型太陽電池の作製を開始し,チタニア粒子薄膜の厚さと空隙率が,光電変換効率に影響することを確認した。この理由をペロブスカイト型微粒子の結晶子径や粒子径の影響に求められることが判明したが,その詳細は今後の検討が必要である。 また,Kelvin probe Force Microscopy(KPFM)を用いてチタニア粒子薄膜の表面電位測定をおこない,KPFMによる局所的な電気特性測定の可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粒子集積薄膜の作製方法として電気泳動法を取り上げ,研究成果の一部を学術会議で発表した。口頭発表:化学工学会第48回秋季大会,徳島大学(徳島市),2016年9月。これを基に国際会議で講演し,学術論文として発表する予定である。 粒子集積薄膜の構造評価に関しては,シリカ粒子を用いた規則配列堆積膜の作製条件を明らかにした。口頭発表:第67回コロイドおよび界面化学討論会,北海道教育大学旭川校(旭川市),2016年9月。これを基に国際会議で講演し,学術論文として発表する予定である。 ハイブリッド型太陽電池として,亜鉛・銅・スス・硫黄の4元素からなるCZTSナノ粒子を作製し,粒子薄膜の作製条件と光電変換効率の関係を明らかにし,その一部を発表した。口頭発表:同志社大学ハリス理化学研究所研究発表会, 同志社大学(京田辺市), 2016年12月。さらにこの内容をまとめて投稿し,掲載が決定している。 さらに,Kelvin probe Force Microscopy(KPFM)を用いて局所的な電気特性分布を明らかにするための基礎的研究を,Max Plank Institute for Polymer Research, Mainz, Germanyとの共同研究として開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
「粒子集積薄膜構造の評価技術を確立と,ハイブリッド型太陽電池の光電変換効率の向上」が最終目標であるが,成膜条件と光電変換効率の関係がまだ明確とは言えないことから,研究の重点を粒子集積薄膜の成膜条件と光電変換効率の関係を明らかにすることとする。 そのために,粒子集積薄膜の作製方法として電気泳動堆積法に注目し,その特徴を明らかにするため,別途シリカ粒子やアルミナ粒子を使用した粒子集積薄膜作製を実施する。 光電変換効率の測定と共に,その効率上昇を妨げている要素を明らかにするために,インピーダンスとKPFM測定を推進することに注力する。
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Causes of Carryover |
本年度は,消耗品費を中心に使用し,僅かに残額を残す状況である。来年度は研究成果報告を実施するため,旅費を予定金額まで使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
各種の実験用消耗品に使用すると共に,研究調査費,研究成果発表旅費,および学生の謝金(実験補助)に使用する。
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Research Products
(4 results)