2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K06572
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
許 亜 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点 水素製造材料グループ, 主幹研究員 (00370304)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 金属間化合物 / ナノ粒子触媒 / 水素製造反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は貴金属不要な安価で高効率な水素製造触媒の開発を目的として、規則型 Ni 基金属間化合物のナノ粒子の創製及び触媒特性の解明を行う。従来の金属ナノ粒子触媒調製によく用いられている金属塩などを液相中で還元する方法は、低温で行うため、規則構造の形成は難しい。そのため、規則構造を持つ金属間化合物のナノ粒子の触媒特性に関する知見は極めて少ない。本研究は、規則構造を持つ金属間化合物のナノ粒子という新触媒を合成することにより、従来の金属や合金ナノ粒子触媒にない新しい水素製造触媒の発見が期待できる。 平成27年度には、有望な金属間化合物の選定及びナノ粒子の創製を行った。化合物の選定について、酸化物生成標準自由エネルギーが Ni に近い元素との金属間化合物に着目し、エリンガム・ダイアグラムを用いて有望な候補(Ni-Sn系,Ni-V系)を選定した。ナノ粒子の作製は熱プラズマ蒸着法を用いた。作製したナノ粒子のキャラクタリゼーションは、XRD、比表面積測定(BET 法)、TEM-EDS、SEM-EDSなどにより行った。その結果、Ni3Sn, Ni3Sn2, Ni3Sn4及びNi3V各化合物のナノ粒子の作製に成功した。これらのナノ粒子の粒径は主に数nm~100nmの範囲にある。BET 比表面積は10m2/g程度である。さらに、Ni3SnとNi3Vのナノ粒子のメタノールの分解反応に対する触媒特性を測定した。Ni3Snは高い活性、安定性及び水素選択性を有することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き作製したナノ粒子のキャラクタリゼーション(結晶構造、組成、形態)を行い、その結果を熱プラズマ作製にフィードバックし、ナノ粒子の化学組成、規則構造および形態(粒子サイズ、形状)の制御には最適な作製条件を確立する。また、メタノール、メタンからの水素製造反応を用いて、作製したナノ粒子の水素製造触媒特性を検証する。触媒反応前後のナノ粒子のキャラタリゼーションを行い、触媒特性に及ぼすナノ粒子の結晶構造、形態(サイズ、形状など)、及び化学組成の影響を調べる。
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Causes of Carryover |
2016年2月に原料(Cuワイヤーカットなど)購入金額は予定していた金額より少し少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分として請求した助成金と合わせて触媒反応用消耗品の購入に使用する予定。
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