2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the formation of single-layered nano-catalytic particle films with large area under extremely thin-layer surface plasma
Project/Area Number |
15K06573
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
箱田 照幸 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子ビーム科学研究部門, 研究企画室長(定常) (70354933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 春也 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 上席研究員(定常) (70354941)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 触媒調製化学 / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来研究にはない粒子径の揃った貴金属ナノ粒子を大面積で高密度に単層で配列するユニークな触媒ナノ粒子薄膜の生成手法に関するもので、物質の極表層に高密度プラズマ場を形成できる数十keV の低エネルギー電子線を駆使して、気液界面で貴金属ナノ粒子を高密度で単層に生成・配列した触媒薄膜の新たな合成法の確立を目的とする。 平成28年度までに実施した、金(Au)やパラジウム(Pd)イオンに続き、平成29年度は白金(Pt)イオンを含む水溶液について電子線照射による薄膜生成について調べた。その結果、AuやPdイオンと同様に、0.5~1v%の低アルコール濃度で薄膜の生成が促進すること、粒子径が5 nm以下の一次粒子からなり、金属PtであるPt(0)の生成割合は約70%の薄膜であり、さらにこの薄膜は室温で水素解離能を有することを見出した。以上の単一成分の貴金属イオンで得られた知見をもとに、複数成分のPtとPdイオンを合計1 mMで、その濃度比が異なる水溶液について同様の実験を行った結果、水溶液表面に数nmの幅を有する網目構造を有する薄膜が形成されること、水溶液中のPt、Pdイオンのそれぞれの濃度に応じた生成比でPt(0)、Pd(0)をそれぞれ含む薄膜が形成されることを見出した。さらに、薄膜の水素分子の解離触媒能の結果と予備的に実施したTEM-EDSの分析結果から、複数成分水溶液で生成した薄膜はPt(0)の微粒子は存在せずにPd(0)との合金を形成している可能性が示唆された。以上の結果から、水溶液中の貴金属イオンの組成に応じて薄膜中の還元貴金属成分の組成を制御できることを見出すとともに、一連の知見から、気液界面で単成分、複成分からなる貴金属ナノ粒子を高密度で単層に生成・配列メカニズムを解明するとともに、その触媒薄膜の新たな合成法の確立に一定の目途がついた。
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Research Products
(1 results)