2017 Fiscal Year Research-status Report
ロイシンリッチリピートを分子骨格とした新規抗体の創出とその応用に関する基礎研究
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15K06588
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Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
吉永 圭介 熊本高等専門学校, 生物化学システム工学科, 准教授 (30513238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 周平 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (40295275)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 立体構造保持の確認 / 抗体提示の条件検討 / ライブラリ構築戦略の変更 / ベクターの改変 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度までにLRR抗体の大腸菌における可溶性発現と、M13ファージ上での提示について確認済みである。 平成29年度は、ファージ上に提示されるLRR抗体が適切な構造を保持していることを確認するために、ヤツメウナギ抗HELモノクローナルVLR(クローン2D)の抗原結合部位を移植したLRR抗体クローン2Doriを構築し、ファージ上に提示させ、HEL結合活性を測定することで立体構造の保持の確認を試みた。平成28年度は調製したファージの状態が悪くHEL結合活性の評価に至らなかったが、29年度はファージ調製の条件検討を詳細におこない、2DoriがコントロールLRR抗体に比べ有意にHELへ結合することがわかり、ファージ上には適切な立体構造を保持したLRR抗体が提示されることを確認するに至った。またこれらの実験を通してLRR抗体の提示に適した大腸菌株、ヘルパーファージ、培養条件の基礎的データを得ることができた。 一部ライブラリ構築に着手したが、当初計画していた3カ所の抗原結合部位を1つずつ3段階で導入する戦略では、段階を経るごとにライブラリの多様性が減少すること、想像以上に労力と時間を要することが明らかとなった。本研究においてライブラリの質はその後の結果に大きく影響を及ぼすため、ライブラリ構築法の大幅な変更を余儀なくされた。使用する制限酵素を工夫し3カ所の抗原結合部位を一度に導入する戦略へ変更し、それに合わせファージミドベクターの改変、変異導入部位の再設計をおこなった。現在、新たな戦略でライブラリ構築中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成28年度までは校務の関係上、予定していた研究時間を確保できなかった。平成29年度は時間をかけて研究を実行できたが、当初計画していたライブラリ構築手法がライブラリの多様性を確保できないことが判明し、構築手法の大幅な変更と使用するファージミドベクターの改変を余儀なくされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな構築手法でLRR抗体ライブラリを作成し、モデル抗原でスクリーニングし、得られたクローンの性状を解析することで、本ライブラリの有効性を評価したい。
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Causes of Carryover |
理由:試薬の価格により端数が生じたため 使用計画:翌年度分と合わせて物品購入に使用する
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Research Products
(3 results)