2015 Fiscal Year Research-status Report
計測対象の大きさによらない高精度動的表面形状計測法
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15K06594
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
樋口 健 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60165090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩佐 貴史 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90450717)
岸本 直子 摂南大学, 理工学部, 准教授 (60450714)
藤垣 元治 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40273875)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 宇宙構造物 / 面形状計測手法 / 変形計測手法 / 格子投影法 / 大型構造物 / 高精度構造 / 計測精度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は3年間にわたって、1.任意の大きさの構造物に対する高精度計測法の確立と計測系の小型・可搬化、2.動的挙動の計測法の確立、3.計測実験よる実証、を研究するものであり、初年度の平成27年度はまず原理の確認を目的としており、以下の研究を行い、それぞれ成果を得た。 静的形状計測について、計測系の小型化・可搬化を実施した。人工衛星や気球観測に搭載を想定した電波天文用パラボラアンテナ反射鏡面(φ1.5m)を対象にして、試作した簡易可搬型計測装置を使って領域ごとに分割計測した結果を画像処理でマッチングし領域を結合させた。また、同じくパラボラアンテナを対象に,貼りつけた2次元格子を2台のカメラで撮影し,変位・ひずみ分布を求める手法を試みた. 格子投影法に画像の三次元マッチングを組み合わせることにより、いくらでも大型に拡張可能な計測法を確立することに関しては、格子投影法の計測データの3次元マッチングとして仮想ターゲット点を利用した方法を適用することにより、100μm以下の精度で結合できることを簡易実験により示した。また、この手法を市販の1.5mアンテナの形状計測に適用し実現可能性を示した。さらに、既存の格子投影法の計測プログラムを、(1)画像計測のみを行う機能と、(2)位相解析をのみ行う機能に分離し、計測対象物の大きさによらず高精度に動的挙動を計測できる環境を整えた。 撮影した画像データを蓄積する段階とその後の位相解析及び形状解析の段階とを分離するようプログラムを改修することに関しては、大型構造物の三次元計測を行うための手法として,基準面が曲面であっても精度よく計測が行える手法を提案した。また、奥行きが深い物体を精度よく計測できる手法として、全空間テーブル化手法を改良したアルゴリズムを構築した。その手法を組み込むためにソフトウェアを改修した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
任意の大きさの構造物に対する高精度計測法の確立と計測系の小型・可搬化については、先ず静的形状計測について、面形状計測手法である格子投影法に三次元マッチング技術を組み合わせることにより、いくらでも大型の構造物に拡張可能な計測法の原理を確認した。小型化・可搬型化された計測系を試作した。 動的挙動の計測法の確立に関しては、先ず小領域で動的挙動が取得できる計測法を実験で示した。次に、区分的画像データを高精度に結合することにより得られる表面形状の計測精度の実験的確認をした。 このように、平成27年度の目的である原理の確認を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画では、平成28年度は以下の2つである。 1.区分的小領域で動的挙動が取得できる計測法を確立すること。 2.画像データを結合して得られる表面形状の計測精度の実験的確認と改善方法を検討すること。 また、その精度向上への治具およびソフトウェアの改修を実施することになっている。そのため、平成28年度は、目標精度を実現させるための光学系を設計するためのツールを構築すること、改良したプログラムを利用して動的計測を行うこと、ソフトウェアの改良と変位・ひずみ分布の精度評価を行うこと、を予定しており、当初の研究計画書の通りである。
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Causes of Carryover |
旅費が予想より3714円安く済んだことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の実験旅費は不足気味と予想されるので、平成27年度残高を加算して使用する予定である。
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