2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of multiscale modeling for the CFRP and its application to the structural design
Project/Area Number |
15K06597
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡部 朋永 東北大学, 工学研究科, 教授 (50344164)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 複合材料 / マルチスケールモデリング / 分子シミュレーション / 機械特性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
概念設計に必要な旅客数、航続距離、離発着の滑走路距離、エンジン推力といった最低限の諸元情報だけで、翼形状、部分構造様式、補強材および翼面の厚さに至るまでを詳細に設計出来る統合解析ツールを2016年度までに開発した。このツールでは、損傷進展解析・破壊シミュレーション、寿命解析も行える。また、この解析ツールの特色として、金属と近年適用拡大が目覚ましい複合材の両方に適用出来る点がある。一般に、航空機構造において炭素繊維強化複合材料が適用される際には、炭素繊維を所定の向きに積層した積層板として使用することで、面内に必要な弾性特性を得ている。よって、積層板内の層ごとあるいは構成素材(繊維・マトリックス)ごとに異なる応力・ひずみが生じ、これが原因となり複雑な破壊挙動を示すことが知られている。これらが機体開発現場にて複合材航空機構造設計を難しくしている理由である。そこで、上記解析ツールに加え、2017年度には、マトリックス樹脂の力学的特性を評価可能な分子動力学シミュレーションを構築し、これを均質化法に組み込んだ。このことで、構造解析に利用する巨視的剛性の算出だけでなく、構成素材ごとに異なる力学挙動あるいは損傷過程を正確に再現できる。次に、連続体損傷力学を援用し、損傷進展理論を古典積層板理論に組み込むことで、異なる繊維配向を有する積層板構造を損傷も含めた形にて、最適な設計を行なえるようになった。以上により、今後開発が期待されるあらゆる複合材新型航空機体の基本設計を簡便かつ詳細に行うことが可能となった。
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