2015 Fiscal Year Research-status Report
コルゲート型モーフィング翼構造の設計解析手法の構築と実証
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15K06598
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横関 智弘 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50399549)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 可変翼構造 / 航空機 / 構造解析 / 空力特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
航空機の飛行性能や飛行特性を向上させる構造可変技術を検討するため、前縁・後縁部の自在変形を可能とするモーフィング翼構造の設計技術の確立に向けた解析的検討を実施した。コルゲート構造は、翼コード方向に波方向を一致させて使用することで、空力的に可変性が有効な翼コード方向の柔軟性と、構造強度的に求められるスパン方向の剛性を併せ持つモーフィング翼構造として利用することが可能であり、自在な変形性能と耐荷性能を両立可能な構造様式として、本研究でも採用した。コルゲート構造を均質な特性とみなし構造モデルに取り入れ、駆動機構と大変形を考慮した構造解析と空力特性解析を併用・連成させた設計解析モデルを構築するための研究を実施した。具体的には、翼断面の構造を大変形考慮可能な梁モデルでモデル化し、2次元翼型解析による空力特性解析と連成させた、モーフィング翼構造の構造・空力解析モデルを構築した。 連成モデルを用い、最適な空力特性が得られる構造パラメータ(コルゲート形状など)を得るためのパラメトリックスタディを行い、構造パラメータの調整により、空力特性を向上させることができることを示した。 得られた解析結果から、後縁部のみをワイヤー駆動により可変可能な構造とした小型のモーフィング翼構造の試作を行い、大変形可能なモーフィング翼構造が実現可能なことを実証した。また、駆動後や繰り返し駆動後に有害な変形は生じず、構造強度的に問題なく設計が行えていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、モーフィング翼構造の設計に必要な、構造強度・空力特性を考慮した簡易解析モデルを構築し、小型モデルの試作による確認を行うことが目標であり、予定した計画通りに達成できたと判断している。一層の解析モデルの高度化などの余地があるため、引き続きモデルの検証、拡張を実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は後縁部を可変構造とした解析モデルの構築を行ったが、前縁部をモーフィング構造とすることで一層の性能向上が見込まれるため、前縁部も可変構造とする解析モデルの構築を実施していく予定である。最終的には風洞モデルや実構造モデルの製作を目指すため、駆動機構や実装のために製造性を考慮した構造設計を行う必要があり、今後、検討予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は小型模型を製作するにあたり、駆動機構の組み込みを行わず、手動での駆動により実証を行った。当初購入予定であった、駆動用アクチュエータの購入を見送ったため、残額が生じた状況である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度において、残額と次年度分の助成金を用いて、アクチュエータ購入及び改良版模型製作を行う予定である。
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Research Products
(1 results)