2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K06602
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮沢 与和 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60358645)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 航空交通管理 / 監視情報 / 最適化 / Data fusion |
Outline of Annual Research Achievements |
航空交通システムは交通量の増大と多様化するニーズに対応してより安全で効率的な運航が求められており,そのために通信と情報技術を駆使した新しい航空交通管理の研究開発が進められている.監視データは航空交通を制御するためのセンサ情報であり,その精度と信頼性の確保は新しい航空交通管理の実現にとって必須である.監視装置は多種多様なものがあり,現在は収集したデータの簡単な切り替えによって対応している.航空交通の精密な制御を行うためにはモデルと理論に基づいた監視情報の統合が必要であり,その技術を開発することが本研究の目的である. 研究の初年度にあたる本年度は,関連する既存の理論および応用研究の成果を調査した.また,国土交通省が公開したCARATSオープンデータ(日本空域のエンルート2次レーダ情報)を用いて旅客機の飛行状態推定を行い,監視データの誤差の性質を明らかにするとともに,旅客機の通常の運航における運動モデルを利用した位置情報の推定が有効であることを確認した.さらに,今後の監視データ統合において期待されている新しい監視情報であるADS-B(放送型自動位置情報伝送・監視機能)について共同研究を行う電子航法研究所の協力を得て,航空機からの信号の受信を行い,その誤差について基本的な性質を調査した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論面での調査および多様な監視データへの応用については残されているものがあるが,それ以外は順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究は,気象予報情報や機体の運動を考慮する詳細モデルを用いて航空機のオフライン飛行状態推定を行うことをベースに位置推定解析を行った.実際の運用においては,リアルタイムの位置推定が求められるので,今後は,性能劣化を評価して遅れ時間や計算量の制約を考慮したアルゴリズムを検討する.具体的にはモデルの簡易化を行い,最適推定を行って詳細モデルによる結果と比較評価を実施する予定である.また,これらの研究成果に基づいて多様で膨大な監視データへの応用を電子航法研究所との共同研究により実施する.
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Causes of Carryover |
膨大かつ多様な監視データを用いた解析を実施する可能性があったので学生謝金を計上していたが,平成28年度に共同研究先から提供を受けることとしたため,平成27年度分と合わせて平成28年度に実施する.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
理由にも述べたとおり,学生謝金分を必要とする解析は平成28年度に平成27年度分と合わせて実施する.
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