2016 Fiscal Year Research-status Report
船舶運航支援のための次世代VTSシステムの機能開発と遠隔操船への適用
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15K06619
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
若林 伸和 神戸大学, 海洋底探査センター, 教授 (60242351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦上 美佐子 大島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (30280457)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海上交通 / 自動航行船 / HCS / TCS / AIS / DPシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,「船舶運航支援のための次世代VTSシステムの機能開発と遠隔操船への適用」のシステム実現にむけ,船舶の遠隔操船に必要となる本船側の機能の実現を優先し,高度な自動航行システムの開発を実用化レベルまで進めた.開発したシステムの実験運用を実船において実施し,必要な評価データを収集した. ①大阪湾のAISデータ現況データを受信し記録するシステムを完成し,航行船舶のVHF無線通信を受信する機器も併せて用い,海上航行船舶のデータを収集する環境を構築した. ②神戸大学大学院海事科学研究科附属練習船(449トン)を使用して,船首方位を自動的に制御して保持するHCS(Heading Control System)を独自に開発し実用化レベルまで改良した.これを利用したTCS(Track Control System)も開発し,高精度で計画した航路を正確にたどるシステムを実現した.また,海上で静止するためのDP(Dynamic Positioning)システムも実用に耐えるものを開発した.さらに機関を制御して航行速力を一定に保ち,計画にそった速力制御を自動的に行う機能も実現した. ③試作システムを装備した練習船深江丸により,約2週間にわたる実際の観測航海において,自動航行システムの性能試験を中心とした運用実験を実施した.その結果,試作したシステムは遠隔操船において本船の機能として必要となる,経路および速力の制御が十分なレベルで実現されていることを示すことができた.これにより,自動航行の手法を確立することができたと考えれている. ④上記②および③で得られた結果をもとに成果を発表するべく,平成29年度に開催される国際会議において2件の発表を計画し,発表申し込みと原稿の執筆作業を進めた.審査の結果,平成28年度末までに受理され,2件の発表が決定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画している自律航行船の実現のための手法の確立と試作システム開発および運用にむけて,確実に実験を行い,システム評価のための十分なデータを取得することができた.その成果は国際会議に2件の論文発表が決定するに至った.
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Strategy for Future Research Activity |
さらに実船での実験を継続し,自律航行に必要な機能のうち,船舶に備えるべき機能について実証システムの開発を継続することにより,手法を確立する. 着手済:AISによる海上交通観測とデータ収集,実船における自動航行システムの実装. 今後開発:管制情報を交換するための船陸間のデータ通信(大阪湾等,輻輳海域を想定した範囲での双方向データ通信). さらに,自動航行のための避航アルゴリズムの検討に着手し,管制計画の生成等のアルゴリズムの検討を行う. このほか,3年計画の本課題の最終年度として,次の研究課題へつながる目標を明確化する.具体的には,船陸間通信を用いた遠隔操船支援等の実現について検討する.
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Research Products
(1 results)