2015 Fiscal Year Research-status Report
圧入ガスの置換によるシェールガス増進回収メカニズムの解明
Project/Area Number |
15K06637
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
尾西 恭亮 秋田大学, 国際資源学部, 助教 (20402969)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ガス吸着量 / 水銀孔隙率 / 全有機炭素 / 比表面積 / シェールガス |
Outline of Annual Research Achievements |
シェールガスは吸着ガス賦存量が高いことが知られている。しかし,吸着ガスおよび測定上は区別が困難な吸収ガスが,シェールの微細孔隙の世界で,どのような形態で存在しているかは分析途上である。現段階では,各種岩石物性とガス吸着可能量との関係は不明点が多い。そこで,本研究では,頁岩試料の分析により,各種物性値とガス吸着可能量の関係を明らかにすることを目的とした。 秋田県内の露頭を複数調査し,実験に用いる珪質頁岩試料を5点選択採取した。ガス吸着量を,高圧下(5MPaまで)と低圧下の2つの方式で測定した。高圧下の吸着量の測定装置は安定した測定が可能なように,改良を加えた。また,水銀ポロシメータとで細孔径分布を測定し,ロックエバルで全有機炭素量を測定した。吸着量と細孔径分布と全有機炭素の結果を比較し,関係性を議論した。 高圧下のガス吸着量は二酸化炭素を用いた。装置の安定化により,ラングミュアの吸着等温線に従った測定結果を得られた。また,試料により,吸着量に4倍程度の差異が認められた。この吸着量の相違の原因が,全有機炭素であるという報告が北米産試料の分析において多数存在するが,女川珪質頁岩にはそのような傾向は認められなかった。一方,ミクロ孔の体積とは,比較的よい相関を示した。メソ孔の体積とは,有意な相関性は認められなかった。本研究の結果からは,全有機炭素だけではなく,ミクロ孔の存在が高圧下のガス吸着量に大きな影響を与えていることが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エンジン式コアドリルを用いたが,目標の表層から50cmの位置から岩石試料を採取することはできなかった。しかし,採取した試料の固結度は高く風化は進行しておらず,実験用途に十分な新鮮度を有する試料が取得できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,研究計画の変更を行い,研究計画の一部に関しては先行して研究を進めることができたが,一部は遅れている。岩石試料を円筒形に整形し,吸脱着試験を行うことが,今後の主たる課題となる。
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