2015 Fiscal Year Research-status Report
高精度電磁場解析統合システムによるミリ波伝送機器損失評価と最適化
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15K06650
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
中村 浩章 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (30311210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 祐一 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (50311212)
久保 伸 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (80170025)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電磁波解析 / FDTD / 導波管 / 偏波器 / 電子サイクロトロン共鳴 / プラズマ加熱 / マイターベント / コルゲート導波管 |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマの電子加熱では、サイクロトロン周波数(50~200GHz)のミリ波領域帯での高出力の電磁波の供給が必要となる。(例えば、現在建設中のITERでは170GHzのミリ波で一経路あたり約1MW(全体で20MW)をプラズマに供給する設計となっている。)この加熱装置システムは、ミリ波発生源のジャイロトロンから、ミリ波伝送系を経由して、プラズマ装置中のアンテナから照射する構成になっている。さらに、ミリ波伝送系は、以下のミリ波伝送素子で構成される。1)コルゲート導波管:直線経路の構成素子、2)マイターベンド:90度伝送経路を曲げる素子、3)偏波器:ミリ波の偏波方向を制御するための素子。この伝送系では、ジャイロトロンで発生する電磁波を「エネルギー損失を少なく伝送する(高効率化)」、かつ、「伝送されるミリ波の位相・偏波面やエネルギープロファイルが、プラズマ加熱に適した状態を維持(高品質化)する」ことが要求される。 初年度は、「モード変換損失の評価」に取り組んだ。ミリ波伝送素子の伝送損失として、素子の金属面での散乱にともなう入力波のモード変換損失と、その金属面で発生する渦電流によるオーミック損失の二つが考えられる。当初のFDTDコードでは、これらの評価が不十分であった。そこで、本年度は、モード変換損失の評価を行えるようにデータ解析部分の開発を行った。その結果、入力モードであるHE11モードが、高次のモードに変換される割合を定量的に得ることができるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
目標であったFDTD計算によって得られた電磁波の時空間分布のデータを使ってモード展開を行えるようになった。これにより、実験測定では計測困難である出力波に含まれる高次モードの割合を定量的に評価できるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、初年度開発したモード展開の解析プログラムの精度のチェックを行い、改良に努める。さらに、現状のFDTD計算自体はまだ並列化を行い、現状より規模の大きな系を扱えるように、拡張を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していなかった本科研費以外の研究予算から、出張・物品購入をすることができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額をつかい国際会議に積極的に参加し、研究成果の発表・情報交換を本年度以上に行っていく。
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