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2017 Fiscal Year Research-status Report

ケーブル・イン・コンジット導体への捩り付加による臨界電流向上の実証研究

Research Project

Project/Area Number 15K06654
Research InstitutionNational Institute for Fusion Science

Principal Investigator

今川 信作  核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (10232604)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2019-03-31
Keywordsケーブル・イン・コンジット / 超伝導 / ねじり / ひずみ / 臨界電流
Outline of Annual Research Achievements

Nb3Sn超伝導線を多重に撚り合せて金属管(コンジット)に収納したケーブル・イン・コンジット導体では,超伝導線とコンジットの熱膨張率の違いにより,高温での生成熱処理からの冷却過程で超伝導線に0.6%程度の圧縮ひずみが生じ,そのために超伝導特性が低下することが大きな欠点となっている。本研究の目的は,コンジットを超伝導線の最終撚りと同じ方向に捩ることによって超伝導線の圧縮ひずみが軽減されて超伝導特性が向上することを実証し,本方式の大型導体への適用可能性を示すことである。
平成29年度は,実験サンプルの製作を進めた。まず,長さ1 m程度のNb3Sn線1本と銅線17本を準備し,3本ずつを撚り合わせたサブケーブル6束を作成した。次に,冷却チャンネルを模擬した直径1.6 mmの銅線の回りにこの6束のサブケーブルを60 mm程度のピッチ長で巻き付け,これらを外径6.0 mm,厚さ0.2 mm,長さ0.8 mのステンレス管に挿入した。この模擬導体を本研究で開発した2組のローラー治具を用いて外径5 mm程度にまで徐々に縮径する計画であったが,管の断面が2組のローラーの各々で楕円形に変形するために計画したようには縮径を進めることができない問題が生じた。ローラー加工を繰り返すことにより,ある程度の縮径は可能であるが,これまでのところ計画した縮径量は達成できておらず,また,楕円変形が残る問題もまだ解決できていない。そこで,この成形加工の条件出し作業と並行して,他の成型方法の調査を行った。その結果,本研究の実験サンプルは小型であることから,超伝導線材等の伸線過程において採用されているダイスを用いた引き抜き加工を適用できるのではないかと考えて,治具の設計検討を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成29年度にケーブル・イン・コンジット縮小導体をバネ形状にした実験サンプルと試験装置を完成させて液体ヘリウム中の特性試験を実施し,本研究を纏める計画であったが,実験サンプル製作において,計画通りに進まないところがあり,特に,サンプル径を縮径する際に断面が楕円変形をしてしまうことに対する対策に時間を要してしまったため,研究の進捗に遅れが生じている。他の成型方法の調査を行った結果,本研究の実験サンプルは小型であることから,超伝導線材等の伸線過程において採用されているダイスを用いた引き抜き加工を適用できるのではないかと考えて,その準備を進めている。平成30年度中に,実験サンプルを完成させて液体ヘリウム中の特性試験を実施し,本研究を纏める予定である。

Strategy for Future Research Activity

まず,実験に使用するケーブル・イン・コンジット縮小導体の縮径を引き抜き加工で実施するための治具を製作する。次に,長さ1 m程度のNb3Sn線1本と銅線17本を準備し,3本ずつを撚り合わせたサブケーブル6束を作成する。この6束のサブケーブルを,冷却チャンネルを模擬した直径1.6 mmの銅線の回りに60 mm程度のピッチ長で巻き付け,これらを外径6.0 mm,長さ0.8 mのステンレス管(コンジット)に挿入する。ケーブル挿入後に35%程度のボイド率(断面内の空隙の割合)となるように治具を用いてコンジットを縮径する。続いて,治具を用いてバネ形状に巻線してから超伝導相の生成熱処理を行い,1本目の実験サンプルを製作する。このサンプルをバネ長さを制御できる試験治具に取り付け,9 Tの外部磁場コイルを備えた小型クライオスタットに設置する。液体ヘリウムで冷却し,バネ長さを変えて臨界電流の変化を測定することにより,Nb3Sn線の臨界電流に対するコンジットの捩りの効果を調べる。その結果を評価し,必要によってはサンプルの設計を見直して,2本目の実験サンプルを製作し,同様の実験を行う。次に,Nb3Sn素線の文献値を用いて,この臨界電流の変化から超伝導線の軸方向ひずみの変化量を評価し,その値を導体の構造解析の結果と比較することにより,大型導体や異なる形状の導体に本方式を適用する場合の臨界電流の変化を予測可能とする。さらに,この研究成果を実際の超伝導コイルに適用する方法について,コイル巻線方法と合わせて検討する。

Causes of Carryover

平成29年度にケーブル・イン・コンジット縮小導体をバネ形状にした実験サンプルと試験装置を完成し,実験を実施する計画であったが,サンプル製作に手間取り,特に,縮径時に導体に断面変形が生じることに対する対策に時間を要したため,サンプル製作に遅れが生じている。サンプル製作方針を決めており,また,実験装置の整備も完了している。平成30年度中に液体ヘリウム中での特性試験を実施し,本研究を完了させる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Study on wind-react-transfer method for helical coils wound from Nb3Sn cable-in-conduit conductors2018

    • Author(s)
      S. Imagawa
    • Journal Title

      Plasma and Fusion Research

      Volume: 13 Pages: 3405027

    • DOI

      10.1585/pfr.13.3405027

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Study on wind-react-transfer method for helical coils wound from Nb3Sn cable-in-conduit conductors2017

    • Author(s)
      S. Imagawa
    • Organizer
      ITC-26/APFA-11
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-12-17  

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