2017 Fiscal Year Research-status Report
プラズマ周辺部に発生する揺動を活用した新たなELM制御法の開発
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15K06657
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
神谷 健作 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部, 上席研究員(定常) (60360426)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Hモード / ペデスタル / 径電場 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際熱核融合実験炉ITER(及びそれ以降のDEMO炉)で想定されている標準的な運転モードでは、プラズマ周辺部において発生する大振幅のELM(Type-I ELM)によるダイバータ板の損耗が懸念されている。本研究では、炉心級プラズマの低衝突頻度領域においても実現可能な高性能でかつType-I ELM無しでも定常性を有する代替え運転モードを新しく開発するために、これまでに世界各国で得られているI-mode, QH-mode, Grassy/Type-II ELMsについて、その発生機構の物理解明を総合的に実施している。 本研究で特に注目する点は、粒子輸送を増加させつつ熱輸送を低減できる運転モードの開発であり、これにはプラズマ周辺部における径電場構造の変化と乱流揺動特性との相関の物理解明が重要であると考えられる。そこで、JT-60Uにおける高分解能での周辺径電場計測結果をもとに、閉じ込め改善モード(ELMの無いHモード)の発生に重要な径電場構造について、境界輸送障壁形成に対する径電場構造の非一様性効果を理論モデルに基づいて比較検証した。その結果、イオン及び電子の熱輸送と粒子輸送のそれぞれに影響する複数の乱流揺動の存在が示唆された。 本研究結果は、英国で開催された第44回プラズマ物理に関する欧州物理学会(EPS-PPD)での招待講演及びプラズマ核融合学会でポスター発表すると共に、NF及びPPCF誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた外国における装置を用いた実験が、先方の事情により不可能となったので、JT-60Uの既存実験データを生かして、より新しい知見を得ることができた。そのため、本研究課題は概ね進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
JT-60Uの既存実験データを用いた解析を推進し、その結果をまとめて国際学会での発表及び論文投稿を実施する。
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Causes of Carryover |
外国において装置を用いた実験が先方の都合により中止となったことから、平成29年度はデータ解析を実施したため未使用額が発生した。未使用額は追加実験及び成果発表のための費用に充てる。
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Research Products
(4 results)