2017 Fiscal Year Research-status Report
原型炉プラズマの運転裕度の定量的評価と燃焼制御シナリオ概念の構築
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15K06660
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
坂本 宜照 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 六ヶ所核融合研究所 核融合炉システム研究開発部, グループリーダー(定常) (30354583)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 核融合原型炉 / 過渡応答特性 / 燃焼制御シナリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、原型炉プラズマ物理パラメーターの広範なデータベースの構築とともに、基本運転シナリオを中心としたプラズマ過渡応答特性解析に基づいて、運転裕度評価、燃焼制御シナリオの構築を目指している。 今年度は、原型炉の炉心プラズマ運転シナリオの構築を目指して、1.5次元非定常輸送解析コード(TOPICS)を用いた解析を実施した。基本的な原型炉パラメーターは、プラズマ大半径8.5m、トロイダル磁場6T、プラズマ電流12.3MAである。輸送モデルには、JT-60UやJET実験データを用いて妥当性を検証した電流拡散バルーニングモード(CDBM)を適用し、密度分布は中心密度1x10^20m^-3、ペデスタル密度6.5x10^19m^-3を仮定した。また、フラットトップでの電子密度に対する不純物の割合として0.5%のArと7%のHeを仮定した。シミュレーションの結果、70MWのNB加熱で内部輸送障壁を形成し20MWのECパワーを周辺部(r/a~0.6)に追加入射することで所要のプラズマを安定に維持できることを明らかにした。さらに、ECパワーを入射する位置を変えることで、燃焼制御が可能であることを示した。その際、核融合出力を増大させる場合と減少させる場合において、時定数が異なることを定量的に明らかにした。さらに、3%の中心密度変動に対するプラズマ過渡応答特性を調べ、核融合出力、温度、非誘導電流及び誘導電流におけるパラメータ連関を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、原型炉プラズマ物理パラメーターの広範なデータベースの構築、基本運転シナリオの構築が完了し、さらに、プラズマ過渡応答特性解析、燃焼制御シナリオの構築に着手して初期結果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本運転シナリオに対して、意図的に外部制御異常やプラズマ内部擾乱の模擬を印加し、それらに対する高自律性燃焼プラズマの過渡応答特性(変化量、時定数)と制御応答特性(制御量、時定数)を解析し、運転限界に対する運転裕度の定量的な評価を行うとともに、燃焼出力制御を含む複合的な燃焼プラズマ燃焼制御概念を構築する。
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Causes of Carryover |
研究計画に基づいて順調に進めているが、最終目標である複合的な原型炉プラズマ燃焼制御シナリオの確立に向けて、補足的な解析を加えることで研究の完成度を高め、学会発表や論文投稿を行うため。助成金は成果発表に使用する計画である。
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Research Products
(8 results)