2015 Fiscal Year Research-status Report
線量計開発を指向したマイクロ波誘電吸収システムの高度化
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15K06666
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
泉 佳伸 福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 教授 (60252582)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロ波 / 誘電率 / DNA / 鎖切断 |
Outline of Annual Research Achievements |
環状プラスミドDNA(pUC118)を、バッファーを含む水溶液内に分散させて試料とし、各種濃度のDNA試料溶液に対してγ線を照射してDNAの鎖切断・構造変化を誘起した。照射前後の変化をマイクロ波誘電吸収測定し、共振周波数及びQ値の変化として捉えた。 Q値の測定については、マイクロ波の反射パワースペクトルのベースライン評価、吸収の周波数及び半値幅測定の精度を上げる事によって、共振周波数測定精度を犠牲にすることなくQ値の測定精度を向上させた。また、その為のプログラム開発・改良を行った。 また、酵素反応によるプラスミドDNAの2本鎖切断生成物のみを調整し、マイクロ波誘電吸収測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNAへの照射実験については試料作製が律速になるが、データを取得できた。さらにデータの点数を増やし、再現性の確認が必要であると考えている。 酵素反応による切断モデル分子の作製・測定は順調に進み、データを得た。さらには一本鎖切断反応の為の酵素反応系を立ち上げているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
本手法は、環境が装置本体に及ぼす影響を如何に抑えるかが技術的な鍵になる。これまでにも温度・湿度の影響を明らかにするとともに、その安定化の為に相当の努力をしてきた。 今後、装置本体の温度を同時計測してフィードバックを掛ける温度補正プログラムの開発にも取り組む。
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Causes of Carryover |
試薬などの消耗品の納入金額が交付申請時と若干異なった為に生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2年目に当たる28年度に実験研究をさらに加速させる為に、酵素やDNA精製の為の試薬類を購入する計画であり、次年度の試薬消耗品の購入にあてる。
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