2017 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of metal nanodot arrays using latent tracks of high-energy heavy ions as microelectrode
Project/Area Number |
15K06677
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
八巻 徹也 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 上席研究員(定常) (10354937)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イオンビーム / 潜在飛跡 / 電子励起効果 / ナノドットアレイ / 電極触媒 / 固体高分子形燃料電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などの電気絶縁性炭素材料において、イオン飛跡に沿って形成される電気伝導性の円柱状領域をごく微小な電極として利用し、電解析出法により金属ナノドットアレイを創製することである。このうち最終年度は、グラッシーカーボン(GC)基板上のDLC薄膜に重イオン照射を行うことでPtナノドットアレイを作製し、その触媒性能を示唆する電気化学特性と微視的形態を明らかにした。これにより、固体高分子形燃料電池(PEFC)のモデル電極触媒としての利用など、この新規作製法の応用性も探索できた。具体的には以下のとおりである。 厚さ100~150 nmのDLC薄膜に6 MeV C60+ビーム(フルエンス:5.0×E9~2.0×E10 ions/cm2)を照射した。Ptの電解析出については、昨年度に行ったCu析出と同様に、サイクリックボルタモグラム(CV曲線)をもとに条件検討を進めた。その結果、電解析出の水溶液組成 1 mM H2PtCl6 + 0.1 M HCl、電位-0.145 V (対Ag/AgCl)、温度25℃、時間10秒が最適であることを見出した。 電界放出型走査電子顕微鏡による表面観察では、フルエンスとほぼ同じ面密度で析出するPtナノドットが確認された。このPtナノドットを微小電極とした過塩素酸水溶液(pH = 1.0)のCV曲線を測定し、水素原子の吸脱着反応に起因する信号を観測できたことから、電気化学的活性表面の形成が示唆された。フルエンス5.0×E9 ions/cm2の場合、整列したナノドット間の平均距離である約70 nmの間隔で物質輸送が制御されるため、反応機構が単純化できPEFCモデル触媒としての利用が可能と考えられる。
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Research Products
(15 results)