2015 Fiscal Year Research-status Report
モデル分析と実証分析による九州の理想的なエネルギー・社会経済・都市戦略の導出
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15K06686
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
竹下 貴之 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (70344075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 健介 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (00376659)
時松 宏治 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (50415717) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 九州 / 最適電源構成 / モデル分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
九州の理想的なエネルギー戦略に関するモデル分析に向けた取組みとして、九州電力の最適電源構成モデルを構築し、所謂「S+3E」を同時実現するという意味で最適な、九州電力(株)の2049年度までの電源設備構成と電源運用の具体像を導出した。そこでは、CO2排出量上限制約を課す場合と課さない場合の結果の相違、化石燃料による発電電力量のシェアの上限制約を課す場合と課さない場合の結果の相違、再生可能エネルギーによる発電電力量のシェアの下限制約を課す場合と課さない場合の結果の相違、原発による発電電力量のシェアの上限制約を課す場合と課さない場合による結果の相違について詳細なモデル分析を行った。 その結果、CO2排出量上限制約を課し、石油・LNGによる発電電力量のシェアの上限制約を課し、再生可能エネルギーによる発電電力量のシェアの下限制約を課し、原発による発電電力量のシェアの上限制約を課すことにより「S+3E」を同時実現するとした場合、原子力が最大シェア(2029年度から2049年度にかけて九州電力(株)の総発電電力量の約40%)を占め、次いで、LNG火力、石炭火力、水力が大きなシェアを占め、太陽光、風力、CCS付きIGCCは導入されるものの導入量は小さいという結果が得られた。 一方、九州電力(株)が掲げている再生可能エネルギーの2030年までの開発目標が達成されると仮定した場合、原子力が最大シェアを占めるがそのシェアは同目標を考慮しない場合と比べて低下する。次いで、LNG火力、石炭火力、水力、地熱、風力の順でシェアが大きくなり、太陽光のシェアは同目標を考慮しない場合と比べて低下するという結果が得られた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
九州電力の最適電源構成モデルの構築・運用による、九州電力(株)の2049年度までの最適電源構成の導出に関する学会発表を2件行うことができた。現在、今年度早期の査読付き論文誌への投稿に向けて作業が順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中に九州の電力需給戦略に関する研究を終わらせる。その後、九州の電力以外のエネルギーの最適需給戦略に関するモデル分析に取り組む。
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Causes of Carryover |
本研究は、国外の研究者複数名と共同して行うことを想定しているが、平成27年度は国外研究者との調整がうまくいかず、国外旅費を支出しなかったことが主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、国外研究者とより緊密な連携を行うための旅費に充当することを想定している。
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Research Products
(2 results)