2015 Fiscal Year Research-status Report
相反する記憶による葛藤をコントロールする神経回路の解明
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15K06698
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松嶋 藻乃 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (10706740)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DNA組み替え / アデノ関連ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
脳内に存在する数百億ともいわれる神経細胞は、発生学的にも機能的にも極めて多様である。よって、ある1つの遺伝子の発現に基づいて、均一な細胞群を定義できることは稀であり、多くの場合、異種のポピュレーションを内包することとなる。そこで本研究では、ニューロンの重要な機能を反映する活動に基づいて、ヘテロジェナスな細胞群を区分して標識することを試みた。 ある特定の時期のニューロン活動に依存してタンパク質を発現するようにするため、活動依存的プロモータ(Kawashima et al., Nature Met. 2013)と、エストロゲン受容体を用いた薬物誘導法を組み合わせた。まず、よりニューロン活動に対する感受性を高め、活動費依存的なプロモータ活性を下げるために、活動依存的プロモータの改変を行い、期待のできる結果を得ている。また、標識に用いるタンパク質を発現させるコンストラクトについても、種々のDNA組み替え酵素のブール論理組み合わせで制御できるよう、改変を重ねた。 改変したコンストラクトは、アデノ関連ウイルスベクターとしてマウスに導入し、活動依存性、及び、ブール論理組み合わせ制御において、意図した通りに動作することの確認を進めている。今後は、それらを駆使して、活動の異なる細胞集団が、発生学的に、また、行動制御における機能において、どのように異なる役割を果たすか明らかにしていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた行動実験の立ち上げは、研究計画の修正にともなって行っていないが、研究に必要なコンストラクト、ウイルス作成は概ね完了し、その動作も期待できる結果を得ている。また今後の研究に必要な基礎データも蓄積しつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ウイルスベクターを使用する上でのin vivo実験に最適な条件を確立し、蓄積した基礎データに基づいて、計画を遂行する。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] Postsynaptic mechanisms underlying activity-dependent adaptation of glutamatergic synapses.2016
Author(s)
Bito H, Kim R, Inoue M, Nonaka M, Ishii Y, Sakai K, Kawashima T, Yagishita-Kyo N, Matsushima A, Kamijo S, Goto M, Kobari S, Okamura M, Endo T, Horigane S, Okuno H, Takemoto-Kimura S, Fujii H.
Organizer
第93回日本生理学会大会
Place of Presentation
札幌コンベンションセンター
Year and Date
2016-03-22 – 2016-03-24