2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of neuronal networks to control conflicts between different memories
Project/Area Number |
15K06698
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松嶋 藻乃 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (10706740)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 活動依存的プロモータ / アデノ関連ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
先年度までに、本研究では、既存の活動依存的プロモータを用い、新たな改変を加え、特定細胞種における活性化状態と非活性化状態を区別できるベクターシステムを構築した。さらに、細胞種特定なCre-driverマウスと組み合わせることにより、これらの2つの状態(活性化状態と非活性化状態)で、異なる選択的な操作を実施する手法の樹立を試みた。今年度は、これらの条件検討を進め、パルバルブミン陽性抑制性神経細胞における活性化状態と非活性化状態を選別し、選択的操作を実施することを試みた。 具体的には、まずPV-Creマウスにて、E-SARE変異人工プロモータの下流でFlpリコンビナーゼを発現するAAVベクターを組み合わせ、PV神経細胞の活動レベルの低い群と、高い群を分別的に標識した。その結果、PV神経細胞の基底状態における活動レベルは、発生学的に生まれる時期と密接な関係があることが明らかになった。 そこで、次に、そうした1つの細胞種内での活動ダイナミックレンジの維持の重要性を調べるため、活動レベルの低い群と高い群で、逆方向的な活動操作を実施した。その結果、海馬CA1領域において、活動ダイナミックレンジの破綻により、探索行動パターン・場所記憶に有意な変化が生じることが明らかになった。 これらの成果は、抑制性細胞細胞種の活動レンジ維持の重要性を示唆するものであり、抑制性局所回路による精緻な記憶制御機構の一端が解明されたと考えられる。
|