2016 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病原因遺伝子SNCAのexosomeを介した伝播分子制御機構の解明
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15K06710
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
河原 裕憲 金沢大学, 医学系, 助教 (00424177)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Exosome / 脳神経疾患 / α-synucelin |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞分泌膜小胞であるexosomeが介する神経細胞-グリア細胞間情報伝達機構に着目し、神経系exosomeの神経変性疾患おける役割を、特にパーキンソン病などの主要原因遺伝子であるα-synucleinとRpn1について解析を行った。これまでに、この分子のexosomeでのα-synucleinの発現誘導性を生化学的に明らかにしていた。そこで、今年度は生体内での効果を精査する目的で、マウス子宮内エレクトポレーション法による解析を行った。その結果、マウス脳内でRpn1などによりα-synucleinの予想発現とは異なる異所性の発現が観察され始めている。また、同様にショウジョウバエモデルを用い成体脳内での解析を目的に、Rpn1のトランスジェニックハエ、Rpn1協調因子RTL1トランスジェニックハエ作製し、これらとα-synucleinのトリプルトランスジェニックハエを創生した。現在、脳内でのα-synucleinの凝集体化の有無に付いて解析を行っている。 カルシウム刺激依存的に神経系exosome内での発現が上昇する分子としてRpn1などを同定してきたことから、カルシウム刺激依存的なRpn1のexosomeへの内包化について細胞生物学的解析を行った。その結果、細胞染色によりカルシウム刺激依存的に(exosomeマーカーである)CD63とRpn1の共局在化が亢進することが明らかになった。また、Rpn1およびRTL1による神経系exosome内への発現遺伝子群の解析を次世代シークエンスにより解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に示した様に、ショウジョウバエモデルも構築済みで組織学的解析を行える状況にある。さらに、Rpn1およびRTL1による神経系exosome内への発現遺伝子群の網羅的解析を行っており、Rpn1-RTL1複合体のα-synuclein以外の標的遺伝子も探索中である。
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Strategy for Future Research Activity |
α-synucleinが主要原因である神経性疾患(パーキンソン病や多系統萎縮症)の患者さん検体が集まりつつあり、これらの検体を用いてexosomeの解析やRpn1、RTL1の発現解析などを行うことで、exosomeと神経変性疾患との関係を解析する。
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Research Products
(1 results)