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2015 Fiscal Year Research-status Report

海馬のニューロン新生を制御する新たな分子メカニズム

Research Project

Project/Area Number 15K06726
Research InstitutionJapanese Foundation for Cancer Research

Principal Investigator

杉谷 善信  公益財団法人がん研究会, その他部局等, 研究員 (80360569)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords海馬 / Brn転写因子 / POU転写因子 / ニューロン新生 / 神経幹細胞 / ニューロン分化
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、生後の海馬におけるニューロン新生に不可欠でありながらも、これまで人跡未踏であったBrn転写因子によるニューロン新生制御機構のメカニズムを解明し、さらにその制御機構を利用して成体海馬のニューロン新生の生理的意義を明らかにすることを目的とする。
この目的達成のために平成27年度は以下の3項目を実施した。
1)胎生期~成体マウスの海馬歯状回におけるBrn因子の発現パターン解析:Brn因子に対する特異抗体および増殖、各種細胞マーカーを用いた蛍光多重染色によりBrn因子の発現パターンを詳細に解析した結果、Brn因子は、胎生期及び成体ともに海馬の神経幹細胞に発現し、分化が進むにつれ発現が消失することを明らかにした。
2)Brn因子ノックアウトマウス海馬歯状回の組織異常解析:Brn因子欠損ホモマウス海馬歯状回のニューロン産生障害が生じるメカニズムを細胞レベルで明らかにすべく、ホモマウスが死亡する生後2日までにおいて顆粒細胞の神経幹細胞が出現する一次歯状回神経上皮、移動経路の二次歯状回マトリックス、そして成体の歯状回となる三次歯状回マトリックスにおける神経幹細胞の細胞増殖能及びニューロン産生能について組織学的解析を行った。一次~二次歯状回ではコントロールとの間に大きな違いは認められなかったのに対して三次歯状回マトリックスにはNgn2等陽性の神経前駆細胞が存在せず、神経幹細胞からの神経前駆細胞の産生もしくはその維持の段階に異常を来している事を明らかにした。
3)Brn因子conditional KOマウスの作製:上述の知見をもとに、出生後の死亡を回避して成体でのBrn因子の役割を解明すべく包括型脳科学研究支援を頂きB6ES細胞を用いたconditional KOマウスの作製を実施した。現在までに期待通りの相同組換えES細胞が複数得られ、現在キメラマウスの作製を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定どおり、Brn欠損マウスにおける海馬のニューロン新生異常の細胞メカニズムを明らかにすることができ、また幸いにも包括型脳科学研究支援を頂くことができて期待通りのコンディショナルアレルをもつ B6ES細胞を複数得られたことから、おおむね順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

今後は得られたES細胞を用いて、Brn因子のconditinal KOマウスを樹立し、成体海馬におけるニューロン新生における役割および成体におけるニューロン新生の生理学的意義について組織学的解析、分子生物学的解析および行動解析によって明らかにしていく予定である。

Causes of Carryover

期待通りの相同組換えES細胞が得られ現在キメラマウスを作製中であるが、まだ交配週齢に至っておらずマウスの樹立が確認されていない。そのためcondeitinal KOマウスとの交配に用いる各種CreERT発現マウスおよびCre組換え依存的に蛍光蛋白を発現するマウスの購入を次年度に行うよう変更したため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

キメラマウスの交配により、マウスの樹立が確認されしだい上述のマウスを購入し予定でおり研究を進める予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Perinatal Gjb2 gene transfer rescues hearing in a mouse model of hereditary deafness.2015

    • Author(s)
      Izuka T., Kamiya K., Gotoh S., Sugitani Y., Suzuki M., Noda T., Minowa O., Ikeda K.
    • Journal Title

      Hum. Mol.Genet.

      Volume: 24)13) Pages: 3651-3661

    • DOI

      10.1093/hmg/ddv109

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] The temporal-codes of neural stem cells underlying the cell diversity and the tumorigenesis in mice2015

    • Author(s)
      Sugitani Y., Sugitani-Yoshida R., Yaginuma K., Nakai S., Minowa O., Ogawa M., Noda T.
    • Organizer
      第48回日本発生生物学会年会 シンポジウム(2015.6)
    • Place of Presentation
      筑波国際会議場
    • Year and Date
      2015-06-02 – 2015-06-05
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2017-01-06  

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