2016 Fiscal Year Research-status Report
海馬のニューロン新生を制御する新たな分子メカニズム
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15K06726
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
杉谷 善信 公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞生物部, 研究員 (80360569)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | POU転写因子 / Brn因子 / 海馬 / ニューロン新生 / 神経幹細胞 / 神経分化 / ノックアウトマウス / コンディショナルノックアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、成体の海馬におけるニューロン新生におけるBrn転写因子の生体機能解析を行い、さらに成体海馬におけるニューロン新生の生理学的意義を行動解析により明らかにすることを目的として、C57Black6をGenetic BackgroundのBrn転写因子のコンディショナルノックアウトマウスを樹立し解析を行う。
本年度は、昨年度までに得られたコンディショナルアレルを有する相同組換えES細胞より、キメラマウスを作製しコンディショナルノックアウトマウス(+/-)の樹立に成功した。さらにコンディショナルノックアウトホモ接合体が、コンディショナルノックアウトホモ接合体マウスが致死となる生後2日を超えて生存するか否かを解析した。コンディショナルノックアウトヘテロ接合体同士の交配およびコンディショナルノックアウトヘテロ接合体とコンベンショナルノックアウトへテロマウスとの交配により、コンディショナルノックアウトホモ接合体(flox,neo+/flox,neo+)およびconbinedホモ接合体(flox,neo+/-)を作製し遺伝子型解析を行った。その結果、両タイプのホモ接合体はともに期待されるメンデル率に従って生まれ、生後3週を超えて生育することが明らかとなった。しかし得られたconbinedホモ接合体4匹はいずれも同腹のコンベンショナルノックアウトへテロマウスに比べて7%~33%体が小さく、コンディショナルアレル(flox,neo+)はWeak alleleである可能性が示唆された。現在FLP組換え酵素発現マウスとの交配により、コンディショナルアレル(flox,Neo-)をもつマウスの作製を進めている。 一方、昨年度に引き続きコンベンショナルノックアウトマウスについては、各種マーカーを用いて、出生直後の各種神経幹細胞および神経前駆細胞についての組織学的解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
期待通りにコンディショナルノックアウトマウスの樹立ができたが、当初の予定よりも遅れており、現在各種アレル変換を行っている段階であり、成体海馬での機能解析が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きコンディショナルアレル(flox,neo+)を持つマウスとFLP組換え酵素発現マウスとの交配によりコンディショナルアレル(flox,Neo-)をもつマウスの作製を進める。さらに海馬の神経幹細胞でCreERTを発現するマウスとの交配により成体海馬におけるBrn転写因子の役割を明らかにする。またCre組換え酵素発現トランスジェニックマウスとの交配によりNull alleleをもつマウスを作製し、既存のコンベンショナルノックアウトマウスの表現型との比較解析を行う。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりもコンディショナルノックアウトマウスの樹立を遅れ、このコンディショナルノックアウトマウスとの交配に用いる各種Cre発現マウスの購入が2016年度から2017年度に変更になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1)各種Cre発現マウス等のマウス購入費用および移動費用、2)コンディショナルノックアウトマウスの分子生物学的解析および組織学的解析の費用、3)研究成果を論文発表および学会発表するための諸経費、等として使用する。
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Research Products
(3 results)