2017 Fiscal Year Annual Research Report
Erasure of LTP and memory by light
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15K06728
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 明弘 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (10741332)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | cofilin / LTP / CALI |
Outline of Annual Research Achievements |
chromophore-assisted light inactivation (CALI)を用い(KimらNeuron, 2015)、光にてコフィリンを不活化することで、海馬長期増強(LTP)を起こしたシナプスを特異的に解除する技術を確立した。まず、高効率でCALIが誘導可能なSuperNova (SN)と Cofilinの融合蛋白質(Cofilin-SN)をスライス培養海馬神経細胞のspineに発現させた。sLTPの誘導後10-40分にspineと樹状突起に光を照射してCofilinを不活化すると、スパインが縮小しsLTPが解除された。sLTPを誘導していないspine形態には影響がないため、LTP特異的に誘導から40分以内で解除できると考えられる。電気生理の手法によっても、光でcofilinを不活化することでLTPが解除されることを確認した。 In vivoでLTPの抑制を行うために、AAVにより海馬CA1神経細胞でCofilin-SNを発現させ、光ファイバーを通じて海馬に光照射した。記憶はInhibitory Avoidance (IA) testにより検討した。記憶が形成されたと想定される電気ショックの2-20分後にCALIを行うとDay2での遅滞時間が解消した。一方で電気ショック60分以降、または電気ショック1分前にCALIを行っても記憶に影響はなかった。これはspineのsLTPの結果と一致しており、電気ショックによるLTP誘導40分後までに光照射でLTPが解除された結果、記憶が消去されたと考えられる。以上から、光照射によりCofilinを不活化する本手法は、LTPを特異的に解除可能な新たな光操作技術であり、vivoでLTPを解除することによって記憶を消去する手法を確立した。
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