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2015 Fiscal Year Research-status Report

嗅覚神経系の3つの階層におけるニューロン総数と嗅覚機能の定量解析

Research Project

Project/Area Number 15K06737
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

森泉 哲次  信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (70157874)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 福島 菜奈恵  信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (90334888)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords嗅覚 / 嗅上皮 / 受容器ニューロン / 定量解析
Outline of Annual Research Achievements

嗅覚受容器ニューロンが存在する嗅上皮レベルで、嗅覚機能とニューロン数の関係を明らかにする研究を行い、ステレオロジー解析装置を用いて、1側鼻腔嗅上皮に存在する変性を免れたOlfactory marker protein (OMP) 陽性受容器ニューロンの総数を計測し、以下の結果が得られた。嗅覚(+)ラット(n = 4): 18,200,000 16,100,000 11,900,000 9,700,000; 嗅覚(-)ラット(n = 4): 10,200,000 5,700,000 4,500,000 2,000,000; 正常ラット(n = 4):22,600,000 21,100,000 20,000,000 18,800,000 以上の結果より、1側に約50%以上(約1,000万)の受容器ニューロンが存在すれば、嗅覚機能は維持できると推察された。
嗅球投射ニューロン(僧帽細胞)が存在する嗅球レベルで、嗅覚伝導路である外側嗅索(LOT)切断後の再生した僧帽細胞数を、ステレオロジー解析装置を用いて定量評価する研究を行い、以下の結果が得られた。正常ラットの神経トレーサー(FG)で標識されたFG(+)僧帽細胞数は、49,700 ± 4,300 (100%) であった。生後2日(P2) のLOT切断ラットでは、再生したFG (+) 僧帽細胞数は、35,100 ± 4,500個 (71%) であり、生後7日(P7)のLOT切断ラットでは、再生したFG (+) 僧帽細胞数は、19,700 ± 5,000個 (40%) であった。ニューロンの再生率は軸索切断時のラットの日齢とともに減少することが明らかとなった。嗅覚(+)ラット(n = 2)の再生したFG (+) 僧帽細胞数は、23,400 と21,300 で、嗅覚(-)ラット(n = 2)の再生したFG (+) 僧帽細胞数は、13,000 と9,600 であった。 以上の結果より、1側に約40%以上(約2万)の再生した僧帽細胞が存在すれば、嗅覚機能は維持できると推察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

予備実験を十分に行っていたために、研究方法でつまずくことが少なく、研究目的に沿った研究成果をほぼ得ることができた。
また、研究課題である外側嗅索の切断実験を行っている際に、脳内伝導路(外側嗅索)の再生に関して、再生軸索線維による機能回復が切断後いつおこるか、また機能回復がおこるには再生軸索線維がどれくらい必要であるかという神経科学にとって重要な課題を解決できる可能性があることが判明した。

Strategy for Future Research Activity

嗅覚伝導路の切断と神経毒の嗅皮質注入実験を行い、嗅覚機能に必要な大脳皮質の最小サイズを定量化する研究課題に取り組む。
また、新たな研究課題として、“機能回復に必要な再生軸索線維の定量化”という重要なテーマにも、今後取り組んでいく予定である。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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