2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of parallel computing of the corticospinal pathways in the primates
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15K06749
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
梅田 達也 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 モデル動物開発研究部, 室長 (90376723)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マカクサル / 一次運動野 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、神経トレーサーを用いてマカクサルの一次運動野から同側の一次体性感覚野への投射を見出した。そこで、機能的な連絡があるか調べるために電気生理学的手法を用いた実験を行った。麻酔下の1頭のマカクサルの一次運動野の手の領域をまず同定した。そして同定された手の領域を電気刺激し、その応答を一次体性感覚野のユニット活動およびフィールド活動の記録を行った。その結果、一次体性感覚野からは電気刺激に対する応答を示すニューロン活動を記録することができなかった。以上の結果から、解剖学的な結合で見出された一次運動野から一次体性感覚野の経路は、なんらかの抑制がかかっているものと推察される。 延髄楔状核は、大脳皮質運動野・体性感覚野からの投射を受けることが知られる。そこで、マカクサルにおける大脳皮質-楔状核の経路を解剖学的に調べるため、1頭のマカクサルの楔状核に逆行性トレーサーを注入した。はじめに、楔状核の位置を確認するために、末梢神経を電気刺激し、その応答を楔状核から記録した。次に、電気刺激に対するフィールド活動が大きかった箇所に逆行性トレーサーのコレラ毒素を注入した。その結果、一次体性感覚野から多くの投射を受けていることを確認することができた。また、投射している細胞数は、一次体性感覚野よりも少なかったものの、一次運動野からの投射細胞も確認できた。以上の結果は、マカクサルにおいて一次運動野は延髄楔状核にも軸索投射していることを示している。
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