2015 Fiscal Year Research-status Report
高精細ハイスル-プット解析で迫るALSにおけるmRNAポリアデニル化制御障害
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15K06755
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
増田 章男 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10343203)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | FUS / CLIP / 次世代シークエンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
N2A細胞を用いて6種類の次世代シークエンサー解析、CLIP-seq, RNA-seq, CAGE-seq, PolyA-seq, Nascent-seq, RNAP II ChIP-seqを行い、それらの統合解析によりFUSがPolyA制御を介したmRNA長制御因子であることを見出した。その詳細な研究成果について、Genes & Development誌に原著論文として発表するとともに、第17回RNAミーティングで口頭発表した。また、reviewを3報発表した。 CRISPR/Cas9を用いた相同組換えにより、Fus遺伝子にALS変異495Xを導入したN2A細胞作製を行い、現在、セルライン化を行っているところまで、到達した。 本研究課題におけるALS病態解析手法の基盤となる、微量次世代シークエンス解析法の確立に挑んだ。 微量CLIP-seq法の開発に取り組み、従来のCLIP法で2000万個の細胞を要するところを、現在、その1/10細胞数で解析可能な新規CLIP法の開発に成功した。最適RNaseの同定、複雑な精製過程の省略および、それを可能にするDNARNA編集酵素類の同定、さらにはアダプター付加過程の改善、PCR primerの最適化など、通常CLIP法からの変更点は、多岐にわたる。 微量PolyA-seq法については、通常のPolyA-seq法の1/1000のRNA量で解析可能とされているLexogen社 QuantSeq 3'mRNA-Seq Library Prep Kitを入手し、その性能を、現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究年度の目標であった、ALSモデル細胞の作成、微量CLIP-seq法および微量PolyA-seq法の開発に、おおむね目途が立ち、次年度の実施に向けての基盤が整ったため、おおむね順調に進呈している、と判断した。 また、FUSによるRNA代謝の詳細を次世代シークエンサーにより解析した研究成果について、Genes & Development誌に原著論文として発表するとともに、第17回RNAミーティングで発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ALS変異導入細胞の作成を引き続き行う。 FUS変異に加え、TDP43, Ewsr1, Taf15などのALS変異導入細胞の確立も狙う。 確立後は、これら細胞の微量PolyA-seq解析を行う。 微量CLIP-seq法は、現状より、さらに最適化が望める状況のため、開発を引き続き続ける。通常の1/100から1/1000の細胞数で可能な条件を探求し、解析手法として、再現性や正確性の評価を行い、研究手法としての確立を目指す。
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Causes of Carryover |
ALS変異導入培養細胞のセルライン化については、当該年度内にセルライン樹立に至っていないため、樹立および樹立後の解析に関する予算が次年度使用額として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞培養用品一式、セルライン解析のためのPCR,分子生化学試薬、次世代シークエンサー解析費用に使用を予定する。
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