2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of the role of transcription termination and polyadenylation in the pathogenesis of ALS using multiple high-throughput sequencing analyses
Project/Area Number |
15K06755
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
増田 章男 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (10343203)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | RNA-蛋白相互作用 / CLIP / FUS / RNAP II / ポリアデニル化 / mRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ALSをはじめとする神経変性疾患の主要病態の一つであるRNA代謝異常について、独自手法を交えたHigh-throughput sequencingによる高精細RNA processing解析を行うことで、特にポリアデニル化制御に着目し、その意義を明らかにすることである。 本年度は、我々が独自開発した新規RNA-protein相互作用であるtRIP法を用いて、ALS原因RNA結合蛋白であるFUS、およびスプライシングの基本因子であるU1 snRNPについて、その生体内RNA結合部位とポリアデニル化制御の関係を、特にRNAP II転写複合体内での動態について、解析を行った。 まず、昨年度に引き続き、機能性分画内での特異的なRNA-protein相互作用検出法の確立を行った。細胞よりクロマチン分画抽出後、RNAP II複合体を免疫沈降により生成し、続いて、共沈されたRNA-protein複合体に対して、さらに抗FUS抗体によるtRIP解析を行うことで、RNAP II分画に特異的なFUS標的RNA部位の検出を行った。十分な検出感度を確保し、ノックダウン細胞の解析を行うことが出来るようになった。 我々の解析により、RNAP II転写複合体内で、FUSはポリアデニル化部位の上流に結合し、そのポリアデニル化を抑制していることが明らかとなった。意外なことに、U1 snRNPも同用様の部位に結合し、やはりポリアデニル化を抑制していた。FUSとU1 snRNPは、直接結合しており、この結合が破綻すると、ポリアデニル化抑制が出来なくなることが、実験により明らかとなった。FUSとU1 snRNPの協調作用によるポリアデニル化制御は、現在、全く知られておらず、新規のmRNA代謝制御機構の発見をすることが出来た。現在、論文作成中である。
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