2015 Fiscal Year Research-status Report
脳虚血時神経血管カップリングへのマイクログリアの関与の検討
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15K06760
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
冨田 裕 慶應義塾大学, 医学部, 講師(非常勤) (60276251)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | マイクログリア / neurovascular unit / 脳梗塞 / 二光子顕微鏡 / 微小循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクログリアにGFPを発現させた遺伝子組み換えマウス(B6.129P-Cx3cr1<tm1Ltt>/J)の左側頭頭頂葉上に直径3 mmの閉鎖頭窓を作成後、0-21日の間で二光子顕微鏡を用いて、マイクログリアおよび血管網の3次元形状を反復観察した。撮像領域は203×203μm(0.2μm/pixel)とし、脳表から深さ400-950μmまでを1.0μmの間隔で1匹あたり1~3箇所撮像した。脳血管を観察するために撮像の直前にSulforhodamine 101を腹腔内投与した。解析ソフトMatlabを用いて単一のミクログリア画像を抽出し、撮像平面上における最大値投影画像上において、マイクログリアの細胞体面積および細胞体中心から半径10μmの円周上における足突起の数について評価した。また、脳血管の形状を基に血管に対するマイクログリアの相対的な位置情報を取得し、マイクログリアの遊走量および細胞の新生について評価した。その結果、頭窓作成0-21日において突起を伴ったマイクログリアを脳表から最深950μmまで明瞭に観察し得た。細胞体面積は、頭窓作成後の日数に関係なく一定値が得られた(平均37μm2)。また、突起本数に関しては、1細胞あたり平均15本であり頭窓作成後において有意な変化は認められなかった。さらに、細胞体の遊走量に関しては頭窓作成後7日間で6μm以上移動した細胞が観察領域内で2割程度認められ、新たな細胞の出現を確認した。これらのことから、生体マウス脳内において同一のマイクログリアに関して長期のin vivo反復観察が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本件の受領決定が後期に入ってからだったので、着手がやや遅れた。B6.129P-Cx3cr1<tm1Litt>/Jマウスの頭窓を通して実質内マイクログリアの測定条件を模索し、長期的に反復in vivo 観察することはできるようになったが、疾患モデルにおける観察まで至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
頭窓を施したB6.129P-Cx3cr1<tm1Litt>/Jマウスを用い、イソフルラン麻酔下でアストログリア細胞の生体蛍光マーカであるSulforhodamine 101(5-10 mM)を腹腔投与(8μl/g)する。これにより、血管の走行が確認でき、全く同じ部位での反復観察が可能になる。頭窓を通して一次体性感覚野の微小血管内及びアストログリアにおける蛍光強度を二光子顕微鏡法によって5分から30分毎に測定する。血管の構造画像を解像度0.4μm/pixelの条件で深さ方向に800μmまで、またアストログリアを0.2 μm/pixelの解像度で400μmまで、それぞれ5μmのステップ間隔で取得する。同様の実験プロトコルで繰り返し継続観察を行う。これにより脳虚血時の微小血管・神経細胞・アストロサイトと、マイクログリア細胞の動的連携について脳皮質のみならず、さらに深部における変化まで多角的に可能な限り明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
内定通知が後期だったため、前期に参加した国際学会への参加費用として使うことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験の着手が遅れた分、精力的に実験に取り組む。神経遮断薬などの薬剤、動物の購入や飼育費、記録に要するハードディスクなどのメディア、論文作成に必要な英文校正や掲載料など、広く使用する予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Unveiling astrocytic control of cerebral blood flow with optogenetics2015
Author(s)
Masamoto K, Unekawa M, Watanabe T, Toriumi H, Takuwa H, Kawaguchi H, Kanno I, Matsui K, Tanaka K F, Tomita Y, Suzuki N
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Journal Title
Scientific reports
Volume: 5
Pages: 11455
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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