2017 Fiscal Year Annual Research Report
Role of proton-sensing G protein-coupled receptors on microglial activation and neuronal cell survival in a mouse ischemia reperfusion model.
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15K06767
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 幸市 群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (00302498)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳虚血 / 酸性pH / プロトン感知性受容体 / G蛋白共役型受容体 / 細胞死 / ミクログリア / 炎症性サイトカイン / 脳内炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系のpH変化は神経機能に重篤な影響を及ぼすと考えられるが、そのメカニズムは依然不明である。脳神経系には複数のpH感知性G蛋白共役型受容体(GPCR、pH 7.6~6.0)が発現している。本計画では、脳虚血や梗塞と関連した生体でのpH感知性GPCRの役割を個体レベルで探索している。また、pH感知性GPCRがミクログリア活性制御、神経の細胞死や神経機能への影響をインビトロで解析している。平成29年度では、TDAG8を含むpH感知性GPCR欠損マウスの個体レベルでの脳梗塞モデル実験を継続して行った。また、神経細胞に焦点をあて細胞外酸性pH応答の作用機構を調べ、以下のような実績を得た。 (1)pH感知性GPCRの欠損マウスの脳虚血実験から、TDAG8が炎症性サイトカイン産生制御を介して梗塞領域の低下に関与していると推測された。また、TDAG8以外のプロトン感知性GPCR欠損による影響も考えられた。 (2)神経細胞の生体膜上で微妙なpHの調節が行われることが示唆されており、細胞外pH低下による神経細胞の機能制御機構が予想された。神経細胞にはOGR1、GPR4の発現が認められた。神経腫細胞株では神経細胞の機能発現として細胞内Ca2+動員や神経型一酸化窒素合成酵素の活性化が観察された。また、pH感知性GPCR欠損マウスから調整した神経細胞を用いた解析から、低pHによる細胞ダメージや細胞内Ca2+動員シグナルの変動にpH感知性GPCRの関与が予想された。 このように、脳虚血に伴うpH低下がpH感知性GPCRを介して梗塞に影響を及ぼすと考えられた。
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Research Products
(10 results)