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2016 Fiscal Year Research-status Report

スプライシング異常に着目した統合失調症発症機構の解明と新規RNA医薬の開発

Research Project

Project/Area Number 15K06787
Research InstitutionChukyo Gakuin University

Principal Investigator

眞部 孝幸  中京学院大学, 看護学部, 教授 (90382283)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords選択的スプライシング / hnRNPA1
Outline of Annual Research Achievements

近年多くの精神疾患関連遺伝子の選択的スプライシング異常が相次いで報告されている。しかしながら、異常スプライシングに積極的に焦点を当てた研究は殆ど成されていないのが現状である。そこで我々は、精神疾患患者の広範な病態と、グローバルな選択的スプライシング調節因子hnRNPA1との間に相関性があるのではないかと仮説を立て研究を行ってきた。
その結果、hnRNPA1の発現バランスが脳構築過程における選択的スプライシングに重要であり、その攪乱が、髄鞘や神経細胞の分化異常を来すことが明らかになった。この現象には、マイクロアレイ法およびその後のパスウェイ解析によって炎症・免疫系を含むすでに精神疾患で関連が指摘されているような因子が広く関与していることも解った。一方、hnRNPA1は全身を通して大量かつユビキタスに発現していることからあまり着目されてこなかったが、hnRNPA1の発現は単純ではなく、まだ報告されていない選択的スプライシングバリアントが存在すること、それは各臓器で発現が違うことなどが解ってきた。
プレリミナリーではあるが現在、以下の新しい結果を得ている。1)新規バリアントを強制発現させると、各バリアントの発現量が均等になる。2)バリアントBの強制発現は各バリアントの発現に影響を与えない。3)新規バリアントを強制発現させた場合でも、野生型の強制発現と同様にオリゴデンドロサイトの分化を攪乱させる。これらの結果から、hnRNPA1によるオリゴデンドロサイト分化の攪乱は、hnRNPA1の各種バリアントの発現バランスが重要であることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

hnRNPA1のオリゴデンドロサイト分化に関する役割は、比較的順調に進んでいるといえる。
しかしながら一方で、実際はhnRNPA1には、まだ報告されていない新規のスプライシングバリアントが存在することがわかり、またそれらを含むバリアント間の発現バランスが重要であることもわかってきており、そちらをはっきりさせる必要がでてきたため、当初の予定よりも多くの作業を要しているの現状である。

Strategy for Future Research Activity

まず、現在までに明らかになってきた結果は以下のとおりである。1)新規バリアントを強制発現させると、各バリアントの発現量が均等になる。2)バリアントBの強制発現は各バリアントの発現に影響を与えない。3)新規バリアントを強制発現させた場合でも、野生型の強制発現と同様にオリゴデンドロサイトの分化を攪乱させる。これらの結果から、hnRNPA1によるオリゴデンドロサイト分化の攪乱は、hnRNPA1の各種バリアントの発現バランスが重要であることが示唆された。したがって今後は、以下の事柄を明らかにしていきたい。
1)バリアントそれぞれの強制発現による発現バランスの変化は、hnRNPA1の細胞内局在に影響を与えるか(細胞内局在の変化によってオリゴデンドロサイトへの分化が変わるという以前の結果を説明できるか)
2)単純に、生化学的に各バリアントの複合体形成を変化させてやることで、本来のRNA結合能やスプライシング調節能がどのようにへんかするか。
3)ヒトの脳では凝集されにくい(プリオン様領域を欠く)アイソフォームBや新規バリアントの割合が高いことが重要ではないかという仮説を証明する。実際に前述の方法で作成したコンプレックスの凝集されやすさを検討する。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由は、学内業務により、日本薬理学会および日本薬学会にフルで参加できなかったことと、研究補助を予定していた者が、家庭の事情により急遽予定より早く退職したため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

今年度までの研究結果により、当初の計画よりも多くの実験を行うことになっているため、その分の試薬代や、それらの成果を論文や学会などの発表に使用予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2017 2016

All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Potentiation of nerve growth factor-induced neurite outgrowth by a novel SERM, MU314, in PC12 cells.2017

    • Author(s)
      Izumo N, Ono Y, Inatomi C, Toho M, Katoh S, Tsuzuki S, Manabe T, Watanabe Y.
    • Journal Title

      Pharmacometrics.

      Volume: 92 Pages: 45-52

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Fluvoxamine reverses estrogen-dependent decline in voluntary activities and decreased amygdala levels of serotonin in ovariectomized rats.2016

    • Author(s)
      Ishibashia Y, Izumoc N, Iwata K, Morikawa T, Kameyama T, Watanabe Y, *Manabe T and *Matsuzaki M.
    • Journal Title

      J. Brain Sci.

      Volume: 46 Pages: 5-9

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] グローバルなスプライシング抑制因子hnRNPA1 の発現量・発現様式の違いと神経ホメオスタシスの攪乱.2017

    • Author(s)
      森川智美、眞部孝幸.
    • Organizer
      日本薬学会
    • Place of Presentation
      仙台
    • Year and Date
      2017-03-24 – 2017-03-27
    • Invited

URL: 

Published: 2018-01-16  

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