2016 Fiscal Year Research-status Report
新規肥満・糖尿病モデルZFDMラットの病態発症機構の解明
Project/Area Number |
15K06800
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横井 伯英 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (70311610)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 疾患モデル / インスリン分泌 / メタボローム解析 / 病態発症機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病などの多因子疾患の病態発症機構の解明には動物モデルを用いた解析が有力な手段である。本研究では、研究代表者らが新規に確立した肥満・糖尿病モデルZFDMラットを対象として、メタボローム解析を中心とした詳細な表現型解析ならびに単離膵島を用いたインスリン分泌障害のメカニズムの検討により、当該ラットの病態発症機構を明らかにする。本研究は、糖尿病の病態の解明や新規のメカニズムに基づく治療薬の開発の基盤となるだけでなく、他の類似研究における疾患モデルの有用性を実証するものである。 平成28年度は、ZFDMラットを対象として12週齢から糖尿病発症後の24週齢までの病態進展過程について下記の解析を行うとともに、単離膵島を用いたメタボローム解析およびトランスクリプトーム解析を行った。 (1)病態発症・進展過程の経時的な表現型の解明: fa/fa個体(肥満・糖尿病発症)と対照のfa/+個体(正常体重、糖尿病発症なし)のオスについて、12週齢から糖尿病発症後の24週齢まで経時的に経口糖負荷試験による耐糖能の評価、インスリン負荷試験によるインスリン抵抗性の評価、膵臓の組織学的解析を行った。 (2)病態発症・進展過程の経時的な代謝プロファイルの解明: 12週齢から糖尿病発症後の24週齢まで経時的に採取した血漿および各種臓器(肝臓、膵臓、骨格筋、脂肪)サンプルを用いてメタボローム解析を行い、血中および臓器中代謝物の経時的推移ついて検討した。 (3)単離膵島を用いたインスリン分泌障害のメカニズムの解明: 8週齢および12週齢時に単離した膵島を用いて、メタボローム解析およびトランスクリプトーム解析を行った。その結果、特に12週齢のfa/fa個体において解糖系からTCA回路へと続く主要な糖代謝経路に異常が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、前年度に引き続きZFDMラットについて12週齢から糖尿病発症後の24週齢までの病態進展過程について詳細な解析を行うとともに、ZFDM系統の起源である肥満モデルZFラットについても同様の解析を行う。さらに、単離膵島を用いたメタボローム解析とトランスクリプトーム解析から病態発症に関与する代謝物・代謝経路を特定し、細胞レベルおよび個体レベルの解析を行う。 (1)病態発症・進展過程の経時的な表現型の解明:肥満モデルZFラットについて12週齢から24週齢まで経時的に経口糖負荷試験、インスリン負荷試験、膵臓の組織学的解析を行い、ZFDM系統と比較検討する。 (2)病態発症・進展過程の経時的な代謝プロファイルの解明:肥満モデルZFラットについて12週齢から24週齢まで経時的に採取した血漿および各種臓器(肝臓、膵臓、骨格筋、脂肪)サンプルを用いてメタボローム解析を行う。 (3)単離膵島を用いたインスリン分泌障害のメカニズムの解明:肥満モデルZFラットから単離した膵島を用いてメタボローム解析およびトランスクリプトーム解析を行い、ZFDMと比較することでインスリン分泌障害に関与する代謝物・代謝経路を特定する。 (4)病態発症・進展に関与する代謝物・代謝経路についての細胞レベルおよび個体レベルの解析:上記(2)および(3)の解析から特定された代謝物・代謝経路について病態生理学的な意義を明らかにするため、化合物やノックダウンにより細胞レベルで代謝経路を遮断した際のインスリン分泌や代謝変化を検討する。さらに、酵素の遮断薬や活性化薬をZFDMラットに投与して糖尿病発症に対する影響などの個体レベルの解析を行う。
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[Journal Article] A novel diphenylthiosemicarbazide is a potential insulin secretagogue for anti-diabetic agent2016
Author(s)
Sugawara K, Honda K, Reien Y, Yokoi N, Seki C, Takahashi H, Minami K, Mori I, Matsumoto A, Nakaya H, Seino S
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Journal Title
PLoS One
Volume: 11
Pages: e0164785
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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