2015 Fiscal Year Research-status Report
実験動物病原菌のMALDI-TOF MS迅速モニタリング検査システムの確立
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15K06814
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
林元 展人 公益財団法人実験動物中央研究所, その他部局等, 研究員 (30332208)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細菌同定 / 実験動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画では国内外のカルチャーコレクションより標準・参照菌株を購入し、マススペクトルデータを取得する予定であったが、菌株の入手時期の関係から自組織内の野外株菌株コレクションを先行し、データ取得を行った。特にわが国の実験動物のマウス・ラットから陽性例が散見される肺パスツレラ(Pasteurella pneumotropica:59株)、ネズミコリネ菌(Corynebacterium kutscheri:23株)、肺マイコプラズマ(Mycoplasma pulmonis:8株)を中心にデータ取得を行った。それぞれの菌株は従来法(生化学的性状検査、スライド凝集法、グラム染色性、PCR検査等)で同定されたものであるが、これらのうち調べた肺パスツレラで100%、ネズミコリネ菌で100%、肺マイコプラズマで87%の菌株がMALDI TOF MS法により当該菌株と同定された。これらのことから、肺マイコプラズマのMALDI TOF MS法での同定には、さらなる検討が必要であることが明らかとなった。今後、積極的に野外分離株の収集を進め解析数を増やしていくとともに、カルチャーコレクションより入手した菌株を用い解析数を増やすことにより、データベースを充実させる予定である。また、自組織内の野外菌株に対し、同定結果の精査・再確認することにより、従来法とMALDI TOF MS法の同定結果の違いを明らかにし、精度をたカメテイク予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カルチャーコレクションからの標準菌株の入手時期の関係から、次年度(H28年度)とのテーマの入れ替えはあったが、進捗状況は概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はすでにカルチャーコレクションより入手済みのStaphylococcus属菌7株、Corynebacterium属菌2株、Mycoplasma属菌3株、Pseudomonas属菌3株の解析を進めるとともに、カルチャーコレクションよりさらなる菌株の入手、野外株の収集そして解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
カルチャーコレクションより菌株の購入時期がずれたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の計画と一部入れ替えて実験を遂行しているため、今後、当初の予定通りの菌株の購入を行う予定である。
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