2015 Fiscal Year Research-status Report
転写制御異常による稀少がん発症・進展の分子機構解明
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15K06836
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
門松 毅 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (90555757)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | がん制御遺伝子 / 希少がん |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては、転座型腎細胞がん発症の原因となるTFE3キメラタンパク質による標的遺伝子Aの発現誘導機構について検討を行った。レポーターアッセイによりTFE3キメラタンパク質が作用する標的遺伝子A発現調節領域を検討したところ、標的遺伝子Aのプロモーター領域に存在する2カ所のE-boxサイトがTFE3キメラタンパク質による発現誘導に重要であることを見出し、実際にTFE3キメラタンパク質が当該転写調節領域に結合することをクロマチン免疫沈降法により確認した。また、転座型腎細胞がんの動物モデルとして腎臓特異的にTFE3キメラタンパク質を発現する転座型腎細胞がんモデルマウスの作製を行い、このマウスが実際に腎細胞がんを発症すること、標的遺伝子Aの発現が亢進していることを確認した。さらに、標的遺伝子Aを欠損した転座型腎細胞がんモデルマウスの作製を行い、現在、標的遺伝子Aの発現と転座型腎細胞がんの病態発症・進展との関連を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、TFE3キメラタンパク質による標的遺伝子Aの発現誘導機構の解明および転座型腎細胞がんモデルマウスの作製を完了し、このマウスが実際に腎細胞がんを発症すること、標的遺伝子Aの発現が亢進していることを明らかにした。さらに、平成28年度に予定していた標的遺伝子Aを欠損した転座型腎細胞がんモデルマウスの作製を行い、このマウスの解析を既に開始していることから、当初の計画以上に本研究が進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針として、標的遺伝子Aを欠損した転座型腎細胞がんモデルマウスを用いて病態の発症率や重症度、生存期間等を解析することで、転座型腎細胞がんの病態発症・進展における標的遺伝子Aの発現誘導の意義を明らかにする。また、転座型腎細胞がんモデルマウスを用いて、転座型腎細胞がんの発症・進展の指標となるようなマーカー分子についても検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Angiopoietin-like protein 2 increases renal fibrosis by accelerating transforming growth factor-β signaling in chronic kidney disease.2016
Author(s)
Jun Morinaga, Tsuyoshi Kadomatsu, Keishi Miyata, Motoyoshi Endo, Kazutoyo Terada, Zhe Tian, Taichi Sugizaki, Hiroki Tanigawa, Jiabin Zhao, Shunshun Zhu, Michio Sato, Kimi Araki, Ken-ichi Iyama, Kengo Tomita, Masashi Mukoyama, Kimio Tomita, Kenichiro Kitamura, Yuichi Oike
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Journal Title
Kidney International
Volume: 89
Pages: 327-341
DOI
Peer Reviewed
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