2016 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular mechanisms underlying development and progression of rare cancers caused by alteration of transcriptional regulation
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15K06836
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
門松 毅 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (90555757)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 希少がん / 転座 / 腎細胞がん |
Outline of Annual Research Achievements |
TFE3キメラタンパク質の標的遺伝子である標的遺伝子Aをノックアウトした転座型腎がんモデルマウスを作製し、当該マウスにおける腎がん病態進展と遺伝子Aとの関連を検討した。その結果、通常の転座型腎がんモデルマウスに比べ、遺伝子Aをノックアウトしたモデルマウスでは、がん進展に伴う腎腫大、尿細管拡張、細胞増殖の亢進、腎線維化が著明に亢進していること、マウスの生存期間も有意に短縮することが明らかとなった。当初、TFE3キメラタンパク質の標的遺伝子である遺伝子Aは、病態進展促進に寄与すると考えていたが、今回の解析から遺伝子Aは転座型腎がん病態に対して抑制的に作用している可能性が示唆された。しかし、今回、遺伝子Aを全身で欠損しているモデルであるため、尿細管以外での遺伝子Aの欠損が病態進展に作用した可能性も否定できない。そこで、遺伝子Aを尿細管特異的にノックアウトしたモデルマスを作製し、現在解析を進めているところである。また、転座型腎細胞がん病態の発症・進展の分子機構をより詳細に解析する目的で、腎細胞がんを発症した転座型腎細胞がんモデルマウスの腎臓を摘出し、腎臓より切除した腫瘍部位をin vitroで培養することにより、転座型腎細胞がんモデルマウスに由来する腎細胞がん細胞株の樹立を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでの報告から遺伝子Aは種々のがん病態において病態進展を促進することが報告されていたことから、当初、TFE3キメラタンパク質の標的遺伝子である遺伝子Aが病態進展を促進すると予想していた。しかし、今回の解析から病態進展に対して抑制的に作用するという遺伝子Aの腫瘍抑制作用という新たな機能を見出した。さらに、尿細管特異的に遺伝子Aをノックアウトした転座型腎細胞がんモデルマウスも作製し、その解析を開始するなど、本研究は当初の計画以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した尿細管特異的に遺伝子Aをノックアウトした転座型腎細胞がんモデルマウスの解析をすめるとともに、今回樹立した転座型腎細胞がんモデルマウスに由来する腎細胞がん細胞株に加え、遺伝子Aをノックアウトした転座型腎細胞がんモデルマウスに由来する腎細胞がん細胞株の樹立を行い、これらの細胞株の増殖能や浸潤能、転移能などを検討することで、転座型腎がん病態における遺伝子Aの作用機序を検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] ANGPTL2 activity in cardiac pathologies accelerates heart failure by perturbing cardiac function and energy metabolism2016
Author(s)
Tian Z, Miyata K, Kadomatsu T, Horiguchi H, Fukushima H, Tohyama S, Ujihara Y, Okumura T, Yamaguchi S, Zhao J, Endo M, Morinaga J, Sato M, Sugizaki T, Zhu S, Terada K, Sakaguchi H, Komohara Y, Takeya M, Takeda N, Araki K, Manabe I, Fukuda K, Otsu K, Wada J, Murohara T, Mohri S, Yamashita JK, Sano M, Oike Y
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 7
Pages: 13016
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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