2016 Fiscal Year Annual Research Report
ガン特異的TCR遺伝子を簡便・迅速に取得するシステムの構築
Project/Area Number |
15K06872
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
浜名 洋 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (90551549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村口 篤 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (20174287)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | TCR遺伝子増幅 / 単一細胞RT-PCR / 腫瘍浸潤リンパ球 / がん特異的TCR / メラノーマ / B16F10 / ルシフェラーゼアッセイ |
Outline of Annual Research Achievements |
TCR遺伝子治療においては、いかにして個々の患者から迅速にガン特異的TCR遺伝子を取得するかが重要な課題の1つである。本研究では「ガン特異的TCR遺伝子を簡便・迅速に取得するシステムの構築」を目的として研究を行った。
初年度は、単一T細胞からTCR cDNAを効率よく簡便に増幅するために、One-step multiplex RT-PCRを用いた方法を確立した。これにより、ヒトおよびマウスの単一T細胞から、80%以上の効率でTCRαβ cDNAの増幅が可能となった。また、TCRの機能を迅速に解析するために遺伝子改変細胞(293T-Luc)を作製した。この細胞を用いたルシフェラーゼ・レポーターアッセイにより、最短4日でTCRの抗原特異性を評価することが可能となった。また、C57BL/6マウスのB16F10メラノーマ腫瘍浸潤T細胞(TIL)を取得し、それらから我々のPCR法により迅速・簡便にTCR cDNAの増幅が可能であることを確認した。
次年度は、5匹の担癌マウスから取得したCD8+CD137+ TIL由来TCR遺伝子(13種類)をレトロウイルスベクターを用いてマウス脾臓由来のT細胞に遺伝子導入した。そして、そのT細胞とB16F10を共培養し細胞傷害活性を検討した。その結果、9種類のTCR遺伝子導入T細胞においてB16F10に対する細胞障害活性が認められらた。次に、ルシフェラーゼを恒常的に発現するB16F10細胞株B16F10-Lucを作成し、この細胞を用いてマウスの肺転移モデルによりTCRの細胞傷害活性能を評価した。in vitroで細胞障害活性の高かった2種類のTCR遺伝子導入細胞T細胞を用いてB16F10-Lucの肺転移を、5匹のマウスで解析した。その結果、2種類のTCR遺伝子導入細胞T細胞はコントロールに比べ優位にB16F10-Lucの肺転移を抑制することが示された。
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