2016 Fiscal Year Research-status Report
プラズマによる腫瘍特異的細胞死の誘導機序に関する研究
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15K06883
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
相馬 正義 日本大学, 医学部, 教授 (30246855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 良弘 日本大学, 医学部, 研究員 (80206549)
浅井 朋彦 日本大学, 理工学部, 准教授 (00386004)
藤原 恭子 日本大学, 医学部, 助教 (40595708)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | AGP / 抗がん作用 / ミトコンドリア / ミトコンドリアダイナミクス / オートファジー / カスパーゼ非依存性細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアの分裂に必須なDrp-1 Ser616のリン酸化ならびに分裂阻害シグナルであるSer637それぞれのリン酸化に対する低温大気圧プラズマ(AGP)の作用を部位特異的リン酸化抗体によるウエスタンブロティング法で解析した。 その結果、AGPは、Ser616のリン酸化をSer637のリン酸化よりも持続させることがわかった(最低4時間持続)。この結果は、AGPが、分裂シグナルを維持してミトコンドリア(分裂ー融合)ダイナミクスを構成的に分裂優位な状態にシフトさせることを示す。しかし(1)ミトコンドリア分裂の促進によりがん細胞の細胞死は増強されるが、細胞死は誘発されなかったこと、(2)分裂ミトコンドリアの凝集が細胞死では常に認められることから、ミトコンドリア分裂は細胞死の促進に関与するが、細胞死自体はその凝集が惹起していると考えられた。また、オートファジーのAGP抗がん活性における関与を調べたところ、AGPの強度によって二重作用を示すことがわかった。 すなわち、高強度AGPではオートファジーによる細胞死 (autophagic cell death) が誘発され、低強度AGPによるカスパーゼ非依存性細胞死はオートファジー阻害剤によって促進された。これらの結果から、AGPはいずれの強度でも非アポトーシス性細胞死を惹起することがアポトーシス誘導に抵抗性のがん細胞を死滅させる要因であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度以降の目標3)~5)のうち3)「AGPによるミトコンドリアの形態変化のメカニズムの解明」に関して、Drp-1リン酸化を介するミトコンドリアダイナミクスのアンバランス誘発という新知見が得られた。また、「オートファジーのミトコンドリア分裂と細胞死における役割」に関して、オートファジーによる細胞死が示された。さらに、低強度のプラズマ照射液による抗がん活性をオートファジー阻害剤が増強するという予想外の発見の結果4)「AGP感受性を増感させる薬剤のスクリーニング」に関してオートファジー阻害剤がAGP増感剤として有効であるという成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の研究の推進方策 等) 平成28年度以降の目標のうち5)「AGP照射装置および照射方法の改良」は、残念ながら進んでいない。この目標では、使用ガスをヘリウムだけではなく、N2等のガスを試験する予定であったが、現在使用しているプラズマジェットの出力が弱いために、電離しにくいこれらのガスの使用は困難であることがわかった。現有機でも一定の成果は得られているので、この目標はプラズマジェットの出力アップが達成されてからの課題として本研究ではこれ以上行わない。
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Research Products
(2 results)