2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanistic study on tumor-selective killing by plasma
Project/Area Number |
15K06883
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
相馬 正義 日本大学, 医学部, 教授 (30246855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 良弘 日本大学, 医学部, 研究員 (80206549)
浅井 朋彦 日本大学, 理工学部, 教授 (00386004)
藤原 恭子 日本大学, 医学部, 助教 (40595708)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プラズマ / 癌 / ミトコンドリア / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
AGP照射DMEM培地中の過酸化水素(H2O2)を介して腫瘍細胞のミトコンドリア内にス-パ-オキシドが産生されて、酸化ストレスが生じる。AGPによるミトコンドリアの分裂にDynamin-related protein1 (Drp1)が関与していた。 細胞死を誘発するにはミトコンドリアの分裂のみでは不十分で、その凝集が必要であった。この凝集にはミトコンドリアの膨化が付随したことから、ミトコンドリアの膜電位喪失や膜完全性の崩壊がこれに必要と考えられた。実際、これらのミトコンドリアの機能不全を強く誘発する細胞膜脱分極がミトコンドリアの凝集に関与することが判った。高濃度のH2O2は細胞膜脱分極を誘発することから、ミトコンドリアの酸化ストレスと機能不全、形態変化間に関連があることが示された。TRAILとAGPは類似したメカニズムにより細胞死を誘発するために、TRAIL感作剤がAGP感作剤ともなりうるかを検討した。その結果、3-メチル-アデニンなどのオートファジー阻害剤が両者の共通の感作剤となることを発見した。これは腫瘍細胞の生存がオートファジーに依存していることに起因しており、このような細胞保護的なオートファジーの減少がこれらの抗がん剤に対する感受性を著しく高めるためであることが示された。 本研究の結果、TRAILやAGPのような酸化ストレスを介して腫瘍細胞死を誘発する抗がん剤の作用メカニズムに関して多くの新しい知見が明らかになり、新規な治療法開発に応用されることが期待される。
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Research Products
(2 results)