2018 Fiscal Year Annual Research Report
Spatio-temporal genomic variation in wild plants: Integration of genome and field biology
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15K06901
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
森長 真一 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (80568262)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 野生植物 / ゲノム / 適応遺伝子 / 集団構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
野生植物集団におけるゲノムの時空間変異を明らかにするために、ゲノム生物学と野外生物学の統合的なアプローチにより、ゲノム変異の網羅的な探索をおこなってきた。 昨年度までに、シロイヌナズナ近縁種であるハクサンハタザオを用いて、ゲノムワイドなSNP解析から、野生植物の集団構造および適応遺伝子探索に関する研究を実施した。本年度は、これまでのハクサンハタザオを用いた研究アプローチを、より広範な野生植物種において適用させるべく、モデル生物とは遠縁なセンリョウ科の野生植物2種を対象にゲノムワイドなSNP(一塩基多型)解析を試みた。まずはじめに、イルミナ社の次世代シーケンサーMiseqを用いて複数個体のゲノム断片を解読した。取得したショートリード配列を、ソフトウェアSTACKを用いてアセンブルし、SNPコールをおこなった。そして、得られたSNPから集団構造の解析や適応遺伝子探索等をおこなった。 SNP情報を用いてベイジアンクラスタリングによる解析をおこなったところ、生育地ごとにクラスターが分かれる事が明らかとなった。また、近隣結合法による系統解析によっても、それらの結果は支持された。さらに、生活史が類似しなおかつ近縁な二種であるにもかかわらず、植物種ごとに集団構造に違いが見られる事も分かった。一方、本解析では得られたSNP数が少なかったため、適応遺伝子の探索を効率的におこなうことは不可能であった。また、モデル生物とは遠縁な植物種であったため、遺伝子機能を推定する事が困難であった。今後は、ロングリードシーケンサーとショートリードシーケンサーを組み合わせる事で、高精度なリファレンスゲノムを作成し、それに基づいたゲノムワイドSNP解析をおこなう事で、これらの問題を解決できると考えられる。
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Research Products
(6 results)