2017 Fiscal Year Annual Research Report
Genome editing by microinjection in the model organism Marchantia polymorpha
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15K06902
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
大和 勝幸 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (50293915)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ゼニゴケ / マイクロインジェクション / ゲノム編集 / RNA-タンパク質複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ゼニゴケをモデルとする遺伝子機能解析を促進するため、CRISPR/Cas9のマイクロインジェクションによるゲノム編集法の開発を目指した。 昨年度まで、マイクロインジェクションにより試料が細胞内に注入されたことを確認するためにFITC-Dextranを用いていた。しかし、本年度の研究により、FITC-Dextranそのものがゼニゴケに対して細胞毒性をもつことが判明した。そこで、注入する試料として改変緑色蛍光タンパク質eGFP遺伝子のmRNAを用いたところ、注入後3日以内に強い緑色蛍光が観察された。これは物理的に導入された生体分子がゼニゴケ細胞内で機能することを示している。 次に、CRISPR RNAおよびCas9タンパク質の複合体をゼニゴケ細胞に導入し、ゲノム編集を試みた。標的とする遺伝子として、気室形成制御因子NOPPERABO1 (NOP1; Ishizaki et al. Plant Cell 25:4075-4084) を選択した。この遺伝子が欠失すると、葉状体に気室が形成されなくなり、葉状体表面の緑色が薄くなるとともに表面構造が滑らかになるので、nop1変異表現型を容易に観察できる。NOP1遺伝子を標的とするCRISPR/Cas9複合体を導入したところ、nop1変異表現型を示す株を得た。この株を調べたところ、標的配列中に5塩基対の欠失が認められ、CRISPR/Cas9によるゲノム編集を確認した。 今後はプロトコルを最適化して効率を改善するとともに、CRISPR/Cas9複合体およびDNA断片の同時に注入によるノックインも試みる。
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