2017 Fiscal Year Annual Research Report
Genetically modified virus therapy targeting HTLV-1, a carcinogenic virus
Project/Area Number |
15K06911
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鈴木 紳介 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任講師 (20437974)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 成人 T 細胞性白血病 / 特異的増殖型アデノウイルス / HTLV-1 bZIP factor遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は革新的な、ヒト T 細胞白血病ウイルス I 型(Human T cell leukemia virus type I: HTLV-1)由来の遺伝子を標的にした特異的増殖型アデノウイルス(conditionally replicating adenovirus: CRA)による低悪性度 成人 T 細胞性白血病(adult T-cell leukemia: ATL) への抗ウイルス療法を確立するための研究を行った。 これまでの研究で判明していたように、コクサッキーウイルス・アデノウイルス受容体(Coxsackievirus and Adenovirus Receptor, CAR)はアデノウイルスの感染成立に重要な因子の1つであり、実験に用いた6種類のATL細胞株全てにCARの発現と高いアデノウイルス遺伝子導入効率を認めた。さらに、6種類のATL細胞株全てに、HTLV-1由来の遺伝子である、HTLV-1 bZIP factor(HBZ)遺伝子の発現を確認した。3’側HTLV-1 プロウイルスに存在するHBZプロモーターの300塩基配列を遺伝子工学的手法により人工的にDNA合成した。HBZプロモーターの転写因子であるSP1結合部位に変異を導入した複数のDNAも同時に合成した。合成したHBZプロモーター活性を測定するため、アデノウイルスを用いた細胞発現ベクターを構築した。6種類のATL細胞株全てに中等度から高度なHBZプロモーター活性を認めた。 現在HBZプロモーター依存性CRA(HBZ.CRA)を作成中であり、その抗腫瘍効果と正常細胞への影響を検討していく段階である。 すでに作成している免疫不全マウスであるNOD/Scid/Jak3欠損マウス (NOJマウス) を利用したATLモデルマウスを用いたin vivoでの検討も視野に入れている。
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