2019 Fiscal Year Annual Research Report
Regenerative-medicine oriented controlling of neuronal cell differentiation with shear stress
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15K06925
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
広井 賀子 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 教授 (20548408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟橋 啓 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (70324548)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マイクロ流体デバイス / 神経芽細胞腫 / 液性因子感受性 / 剪断応力 / Wnt3a / 細胞遊走能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではマイクロ流体デバイスを応用し、再生医療での応用を視野に入れた培養細胞の配置および細胞の分化に対する剪断応力の影響を調べ、制御に利用する方法を開発することを目的とした。 本研究により、1) マイクロ流路内に細胞接着因子をマイクロコンタクトプリンティングすることで細胞の配置位置を決定し、マイクロ流体の性質を利用して細胞の一部分だけを液性因子に曝露する方法を開発した。2) マイクロ流路内の細胞配置を定量的に把握しながら、液性因子の拡散を利用して細胞の運命決定において重要なプロセスである分裂方向決定機構を解析する方法開発した。3) 様々な剪断応力条件を同時に作り出すことが可能な細胞培養デバイスを作成し、剪断応力の細胞遊走能に対する影響を解析する方法を開発した。4) 神経細胞分化の制御機構を把握して制御の確実性を増すために細胞内の分化制御機構について数理モデルを用いた解析を行い、新しい制御ターゲットを示唆した。5)同デバイスを利用し、剪断応力の神経細胞の配置に対する影響、ネットワーク形成方向に対する影響、分化に対する影響を解析する方法を開発した。 これらの研究成果により、細胞を培養空間内に配置し、液性因子による分化誘導を制御しながら培養すること、同時にマイクロ流内で発生する剪断応力を意図的に利用して、細胞の配向性や分化・未分化程度を変更することを可能とする要素技術を開発することができた。 今後これらの技術を融合、発展させることにより、神経系の細胞ネットワーク形成制御や、その他の細胞の中でも配向性などが重要になる細胞シートなどを培養するために有効な方法を開発可能と考えている。 発展研究においては、本研究では神経芽細胞腫を用いたが、生理的な神経細胞の系を立ち上げることで有用性を確認することも必要と考えている。
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