2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of E2F regulation of cell proliferation and tumor suppression
Project/Area Number |
15K06957
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
大谷 清 関西学院大学, 理工学部, 教授 (30201974)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | E2F / RB / 細胞増殖 / がん化抑制 / がん抑制遺伝子 / ARF / p53 |
Outline of Annual Research Achievements |
転写因子E2Fは、がん抑制因子pRBの標的である。E2Fは、増殖刺激によって活性化されると、増殖関連遺伝子を活性化することにより細胞増殖を促進する。一方、pRBの機能欠損などがん性変化によって活性化されると、がん抑制遺伝子ARFの活性化を介してがん抑制因子p53を活性化し、がん化を抑制する。E2Fが相反する作用をもつ標的遺伝子を仕分ける機構は不明である。本研究では、標的遺伝子の仕分けに、E2F自身の修飾の違いおよび相互作用因子が関わっている可能性を検討した。 サイクリンD1/CDK4を共発現するとE2F1によるARFプロモーターの活性化が抑制されたことから、E2F1のリン酸化が関与している可能性が考えられた。E2F1のリン酸化されうるアミノ酸部位45箇所それぞれをアラニンに置換し、サイクリンD1/CDK4による抑制が減弱するか検討した。しかし、再現性をもって減弱する部位は同定できなかった。このことから、サイクリンD1/CDK4はE2F1自身ではなく、その相互作用因子を介して作用している可能性が考えられた。 E2F1のN末端領域を欠失させると、ARFプロモーターの活性化能が減弱したことから、E2F1のN末端領域と相互作用する因子の存在が示唆された。Yeast two-hybrid法を用いて相互作用因子を検索し、20個の候補因子を同定した。これらのうちDDX5は、E2F1によるARFプロモーターの活性化および内在性遺伝子発現誘導を増強し、逆にshRNAによるノックダウンはそれらを抑制した。したがって、DDX5は、E2F1と協調的に働き、ARF遺伝子発現を増強することが明らかとなった。さらに、WDR1がE2F1によるARFプロモーターの活性化および内在性遺伝子発現誘導を増強すること、GTF2H2がE2F1によるARFプロモーターの活性化を増強することを見出した。
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Research Products
(7 results)