2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K06961
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
米沢 直人 千葉大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80212314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 光昭 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80365569)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 糖タンパク質 / 受精 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウシ透明帯について平成27年度には、ZP3のN結合型糖鎖付加部位の一つAsn146をAspに変異させるとZP3フラグメントとZP4との複合体の精子結合活性が有意に低下することを見出した。しかし、糖鎖が直接の精子結合部位なのか、それとも複合体構造安定化などタンパク質部分の機能に影響を与えるのか、は不明であった。平成28年度には、Asn146をGlnに変異させた場合も精子結合活性が有意に低下することを見出した。複合体の見かけの分子量を調べた結果、Asn146の変異による影響はなかった。複合体をpeptide-N-glycosidaseで処理しN結合型糖鎖を遊離させても有意な活性低下は見られなかった。以上から、N結合型糖鎖は精子結合活性には必須ではないが、ポリペプチド鎖が折りたたまれ精子結合部位が形成されるときに必要である可能性が考えられた。平成27年度に開発した新規精子結合活性測定法を用い、ウシZP4の精子結合部位同定を進めた。N末端領域に加えヒンジ領域周辺にもより低いながらも活性があることを見出した。N結合型糖鎖付加部位をすべて変異させても精子結合活性への有意な影響は見られず、O結合型糖鎖付加部位をすべて変異させても有意な影響は見られなかった。ZP3には活性がなかったことから、ZP4はZP3との複合体の状態でN末端領域およびヒンジ周辺が精子と結合し、糖鎖はこの結合に必要ないことが示唆された(論文投稿準備中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウシ透明帯の精子結合部位並びに構成タンパク質間相互作用部位の同定は順調に進んでいる。精子側のZP4結合因子を検索する目的でZP4多量体作製を行ったが精子結合活性を示す多量体が得られず、精子側因子の検索を開始することができなかった。また、ZP3フラグメントとZP4との複合体の構造解析は、収量が低く必要量が得られなかったため、開始することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ウシZP4多量体をリガンドとしたアフィニティー樹脂の作製を継続するが、多量体形成用の融合タグについては平成28年度に試みた軟骨マトリクスタンパク質以外のタンパク質を試してみる。平成28年度までZP3とZP4との間の相互作用部位同定を主に進めてきたが、ZP2とZP3、ZP2とZP4についても相互作用部位同定を行い全体像を得る。本研究課題で開発した精子結合活性測定法を利用し、ウシ精子結合部位へのブタ精子結合活性を調べることにより種特異性の分子基盤を解明する。
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